研究課題/領域番号 |
17K04102
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山下 範久 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (90333583)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | メタヒストリー / 歴史理論 |
研究実績の概要 |
本年度は、当該研究の前提として先行して実施していた、立命館大学アジア・日本研究所研究推進プログラム採択研究プロジェクトである「『大分岐』と『大収斂』:アジアからの世界史像の再構築」と連動して、本研究の第一段階に当たる理論的検討の三つの領野のうち、特にメタヒストリーと社会科学の学史の検討を進めた。 2017年7月28日は同プロジェクトとの共催で、エアフルト大学マックス・ウェーバー・センターよりカーステン・ヘルマン=ピラート教授を招聘し、同教授の『現代経済学のヘーゲル的変容』の書評ワークショップを開催して、「制度」概念を通じた歴史と社会科学の架橋について国際的な研究水準をレビューするとともに、その哲学的基礎付けについて検討を行った。 翌7月29日には、おなじく同プロジェクトとの共催で、東北大学大学院経済学研究科から小田中直樹教授を招聘し、大学教育における世界史教科書のありかたについて、同教授による『世界史/いま、ここから』の経験を踏まえて討議を行った。 2017年11月22-23日は、同プロジェクトと共催で、西洋史分野から長谷川貴彦教授(北海道大学大学院文学研究科)、東洋史分野から小笠原弘幸准教授(九州大学人文科学研究院)、歴史社会学分野から石原俊教授(明治学院大学社会学部教授)の専門家を招聘し、世界史のナラティブの前提となる空間分節を再検討するため、二日間にわたるワークショップを開催した。 これらのワークショップなどを通じて、メタヒストリーおよび社会科学の学史の検討については一定の進捗を見た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の第一段階に位置付けた理論的研究の三つの領野のうち、メタアナリシスについては、連携するプロジェクトの側の計画変更に伴って、接続の再設計を要し、進捗は準備段階にとどまっている。結果として、一定の進捗をみたメタヒストリーおよび学史研究の検討から得られた知見との統合にはいたっていない。
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今後の研究の推進方策 |
メタアナリシスについては、本研究内で内製化するかたちで、2018年度内にキャッチアップし、当初2018年度に計画していた第二段階のグローバル・ヒストリーの個別研究を素材とする検討に統合するかたちで、研究の進め方を再設計する。 また研究代表者のエフォート配分を見直し、所属研究機関の(時間的な)研究助成制度などを活用して、当初計画の20%から25%程度にエフォートを引き上げ、期間内の成果到達を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画で予定していた三つの作業コンポーネントのうちのひとつ(歴史学のメタアナリシスの方法論的検討)に関して、作業の前提となる先行プロジェクトの側の研究計画の変更に伴い、接続の再設計に時間を要して、準備段階にとどまり、同作業コンポーネントの遂行に伴って予定していた物品の購入や研究集会の開催を後ろ倒しの実施に変更したため。
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