歴史社会学を歴史学研究のメタアナリシスとして基礎づけるという研究目的に対して、計画に基づいて研究を進めた。既存のメタアナリシスの手法は、計量化が進んだ領域では相対的に容易に応用が可能であるとの知見が得られる一方、歴史学における計量的手法の適用範囲は限定的であり、単純な移植による応用にも限界があることを確認した。 非計量的手法を中心とする歴史学においては、対象の概念化および空間的・時間的枠組みについての批判的検討が必要となることを明らかにした。特にこの点では、歴史学と他の社会科学との間で概念化の前提が大きく異なること、また歴史学の内部においても概念化の前提が多元的であることが示された。
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