日本各地で多発する諸災害において復興までの過程を比較すると、地域特性や災害の種類によってその道筋は異なるところも大きい。東日本大震災では〈復旧段階〉までは行政の事業が入り、ボランティアの支援もあったが、〈復興段階〉ではその多くが撤退し、被災者の自助に多くが委ねられてしまっていた。2019年以降の九州での豪雨災害では、コロナ禍の影響で外部からの支援が限定的となり、〈復旧段階〉から自助や近隣の共助に任される領域が拡大し、復興も遅延気味である。地域の実情に合わせながら、将来に希望や可能性を抱ける状況をいかに作り出せるかが復興過程では重要である。
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