研究課題/領域番号 |
17K04119
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
長谷部 美佳 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (30624118)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インドシナ難民 / 社会統合 / エスニック・コミュニティ / 難民政策 |
研究実績の概要 |
今年度も引き続き、調査対象者の聞き取りを中心に行った。定住者の集住地域での、インドシナ難民当事者への聞き取り、寺院での調査などを実施した。ただし2020年度に続き、2021年度も、コロナ禍で聞き取りの計画を立てることが、上半期は特にできなかった。下半期、特に11月以降にようやく対面での聞き取り調査ができるようになったものの、そのための準備等(対象者を紹介してもらうなど)、十分に時間が取れずに、昨年度と同様、当初計画の聞き取りが実施できなかった。ただしコロナ禍が落ち着いてきた年度終盤には、聞き取り調査へのハードルが低くなったので、今後は多少見通しが立っている。 文献資料についても、例えば国会図書館が申し込み式になるなど、弊害が出た。オンラインで収集できるもの、あるいは民間の団体が持っている資料などを中心に資料を収集した。これまでにアクセスできていなかった当事者団体の資料などにもアクセスできるようになり、2022年度に研究をまとめていく上で、明るい見通しが立っている。 一方、2021年度は、一次資料の収集が難しかったこともあり、現在手元にある資料での研究成果を公表する方向に力を注いだ。11月に、対象者のライフストーリーをもとにした研究ノート、3月に政策等の資料を用いた研究ノート、ボランティアに関する聞き取りと資料を基にした研究ノートを3本公表することができた。中間報告的な意味合いのある研究ノートを作成できたことで、2022年度のさらなる研究成果のまとめにつなげられるものと確信している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究概要のところにも記載したが、対面の聞き取りをメインにした調査計画を立てていたために、2020年度に引き続き、なかなか対面の聞き取りができないという困難に直面することになった。そもそも対象者と話しをすることの機会が圧倒的に少ないこともあり、いわゆるローデータを取ることが大変困難だった。一方で、手元資料(ローデータ、文献)を基に、研究ノートは公表してきている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の状況が改善され、2021年度末からは聞き取り調査なども実施できるようになってきた。また資料関係についても、アクセスが可能になってきたので、必要な文献資料をそろえ、遅れた分の研究計画を進めていきたい。2021年度、聞き取りにこたえてくれるような対象者を探せるよう、通訳者として働いてくれている人たちを、研究協力者(コーディネータ)として依頼するようにしてきた。また、いくつかこれまでアクセスしていなかった当事者団体などにもアクセスできるようになってきた。最終年度となる今年度は、改めてローデータを整備し、研究成果を公表できるための材料をそろえていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
繰り返しになるが、コロナ禍で、本研究のメインになる対象者への対面での聞き取り、聞き取りのための移動、対象者の聞き取りの音源の文字起こし等が、ほぼ未達で終わってし まったため、次年度使用額が生じている。2022年度は、改善できる見通しが高く、特に音源の文字起こしをできれば、計画的に予算を執行できるものと考える。
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