今年度は、最終年度ということもあり、成果をまとめるため、調査対象者の聞き取りのテープ起こしを行いつつ、同時にインドシナ難民が設立した寺院での参与観察、文化継承活動、インドシナ難民の民族フェスの実行委員会などの参与観察を行った。特にこれまで関係性の薄かったラオス難民出身者との関係性ができ、4月はラオス寺の視察と聞き取りを行った。また、2021年度に成果としてまとめた、インドシナ難民の支援者に対する聞き取り調査も新たに加え、インドシナ難民の支援の歴史などについての聞き取りを行った。支援者については、民間団体、自治体、あるいは労働組合などで、当時の支援にかかわった人たちに話を聞く機会があった。特に今年度は、コロナ感染症の状況がかなり改善し、聞き取り、参与観察等を定期的に行うことができた。 文献資料については、当事者より支援者に聞き取りをする機会が増えたことから、話を聞くことと同時に、当時の資料を入手することなどが可能となった。 一方、前述のとおり、調査対象者の聞き取りのテープ起こしを2022年度の下半期に実施した。これまでの聞き取りすべてを行ったので、約60本近いテープ起こしを行い、3か月近く時間がかかったが、12月には無事終了した。 民族フェス等の参与観察をもとに、研究成果をまとめるよう、2022年度の1月から3月までかけていたものの、校務等と重なり、残念ながら2022年度内に成果をまとめることができなかった。そのため、2023年度の早い時期に、成果をまとめていきたい。
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