①新型コロナウィルス感染拡大状況のなかで昨年度に続いて現地調査実施が困難であったため、当該科研補助事業期間内に行ってきたインタビュー全記録をデータ化し、再検討を行った。ここでは柏崎市における原発立地地域住民の持続可能な地域社会に向けての取り組み―「柏崎市地域エネルギービジョン」(以下、「ビジョン」)と「再稼働」をイシューとして、原発の「反」「脱」 「維持」の軸とコミュニティの持続的な「発展」「再生」という軸で構成される地域社会リーダーの付置連関から、そのコンフリクトついて検討を行うことを企図した。2021年度は柏崎刈羽原発の6号機・7号機の再稼働が焦点となると見込まれており、確かに2020年10月に7号機が原子力規制委員会の全審査に合格し、2021年には再稼働「実現」が見えていたが、その後、安全対策工事未完了カ所が次々と発覚し、更にテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備も相次いでおり、再稼働は全くの白紙状態となっており、「ビジョン」のみを焦点として検討を行うこととなったが、「再稼働」の是非に関する軸がない中では明確な対立軸を浮きぼりにすることは出来なかった。 ②2017年度以降、継続的に行っている新潟市とパートナーシップ協定を結び再生可能エネルギーによる持続可能な地域づくりを志向する「おらって にいがた市民エネルギー協議会」への参与観察を行った。毎週の運営委員会、月一回の定例会、各種イベントへの参加し、併せて同会の再エネを焦点としたSDGsに向けた取り組みに関して主要メンバーに詳細な聞き取り調査を行った。 ③福島県からの新潟県への避難者の現状について、継続的な聴き取り調査等を行った。新型コロナウイルス感染拡大状況の中で、特に自主避難の母子家庭で生活困難を抱えて非常に厳しい状況が浮き彫りとなった。
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