研究課題/領域番号 |
17K04124
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
田中 重好 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (50155131)
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研究分担者 |
室井 研二 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20310013)
高橋 誠 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30222087)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 災害復興 / 災害社会学 / 脆弱性 / レジリエンス / 東日本大震災 |
研究実績の概要 |
「東日本大震災の復興過程の追跡調査を通じた災害社会学の体系の構築」というテーマのもと、次のようなかたちで研究を進めてきた。 東日本大震災の復興状況を整理することに並行して、第一に、災害からの復興を社会学からいかに研究するかという理論的な検討を進めた。災害に関する社会学的な研究が体系化、理論化されていない状況のなかでも、とくに、復興研究は実証的な調査研究が少ないだけではなく、理論的な研究はほとんどなされてこなかった。こうしたなかで、社会学だけではなく、社会科学全般、さらに、自然科学、工学分野を含む災害の研究全般を渉猟して、既存の災害研究における復興研究の成果をあつめ、検討した。その結果、「社会学から災害研究をどう進めるか」という論文を作成した。以上の、災害復興のテーマとともに、防災対策、緊急時の対応行動の研究を進め、二つのテーマをあわせて、災害社会学の理論構築に向けて検討を進めている。第二に、その日本における災害研究の研究成果の再検討とともに、海外、とくに、アメリカでの災害研究の研究動向を検討し、日本の研究と比較対照しながら、整理した。この部分については、次年度の西日本社会学会大会でのシンポジウムで発表を準備している。 東日本大震災の復興状況全般については、データの整理、既発表の調査研究の検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災関連の日本語の研究論文、および、書籍は予想以上に、他分野、大量の論文数、書籍数にのぼっているため、その整理検討に多くの時間を必要としている。 また、海外、とくにアメリカの災害研究の論文、書籍についても、多くの論文数、書籍数があり、その整理検討もかなりの作業量となっている。とくに、1990年代から、アメリカの災害社会学の研究動向が大きな転換をみせ、研究の幅が急速に拡大しているため、多方面からの検討が必要となっている。
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今後の研究の推進方策 |
災害社会学の理論化、体系化にむけての基礎的な整理が進んでおり、それを、体系的に整理し、論文の形にまとめてゆくことが、中心となる。 この災害社会学の理論のうえにたって、東日本大震災の実際の復興過程に関するデータの収集、具体的な対象地域をしぼった調査研究を進める。 このように、災害社会学の理論化、それに基づく復興過程の解明を行ってゆくことが、今後の作業となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外からの文献取り寄せの時間を要していること、および、現地調査が遅れているためである。 今後、文献の発注を継続する。さらに、現地調査を進める。
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