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2019 年度 実績報告書

東日本大震災の復興過程の追跡調査を通じた災害社会学の体系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K04124
研究機関尚絅学院大学

研究代表者

田中 重好  尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (50155131)

研究分担者 室井 研二  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20310013)
高橋 誠  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30222087)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード災害 / ハザード / 災害復興 / 災害の生産 / 災害の構築 / 復興パラダイム
研究実績の概要

東日本大震災の発災時の緊急対応から復興過程までの追跡調査、および、このテーマに関連した記録、研究業績を検討した。とくに、これまで日本の災害研究において手薄であった災害の復興過程に重点を置いて検討を重ねてきた。日本の災害復興政策の基本的な政策原理・骨格を構成するものを、「日本の災害復興パラダイム」として整理した。この復興パラダイムは、日本の行政システムが集権的分散システムとして成り立っていることと同様、中央集権的にコントロールされながら、復興の実際の事業を地方自治体に行わせるシステムとして成り立っており、それを支えているのは、補助金の上乗せなどの政府からの財政支援である。
東日本大震災の実証研究と文献研究に並行して、災害社会学の研究成果を検討し、災害社会学を、今後いかに体系化し得るかを検討した。この研究成果は、2019年の西日本社会学会のシンポジウムにおいて発表してきた。ここでは、災害社会学の体系化について、「災害の生産」と「災害の構築」という二つの分析レベル、災害の時間軸として「Hazard→脆弱性→災害発生→復興」という4つの段階を設定し、この枠組みから、今後の災害の社会学的な研究を進めてゆくべきだと提案した。「災害の生産」とは、災害が社会的に生産されるということで、端的にいえば、社会によって脆弱性が生産され、その脆弱性を媒介にハザードが災害に変化することである。また、「災害の構築」とは、災害を社会的にどう認識するかが時代や社会によって大きく変化、また、現代では、災害リスクという形で、科学的にリスクが評価されているが、そのことも「災害の構築」の一部である。どうように、復興計画の策定も、「災害の構築」の延長上にある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Design toward the Systematization of Disaster Sociology2020

    • 著者名/発表者名
      Shigeyoshi TANAKA
    • 雑誌名

      人間学論考

      巻: 2 ページ: 50-90

  • [雑誌論文] 復興を社会学からどう研究するか2019

    • 著者名/発表者名
      田中重好
    • 雑誌名

      巨大地震災害の国際比較研究報告書

      巻: 3 ページ: 1-31

  • [学会発表] 社会学から災害をどう研究するのか2019

    • 著者名/発表者名
      田中重好
    • 学会等名
      西日本社会学会 第77回大会
  • [学会発表] 復興を社会学からどう研究するのか2019

    • 著者名/発表者名
      田中重好
    • 学会等名
      日本社会学会 第92回大会
  • [図書] 防災と支援2019

    • 著者名/発表者名
      田中重好・黒田由彦・横田尚俊・大矢根淳
    • 総ページ数
      357
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      978-4-641-17439-9

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公開日: 2021-01-27  

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