研究課題/領域番号 |
17K04126
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
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研究分担者 |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10432436)
岩江 荘介 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80569228)
樋口 麻里 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (80755851)
野島 那津子 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (00788614)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 希少疾患 / 宙づり状態 / 難病 / 聞き取り調査 / 就労支援 |
研究実績の概要 |
今年度は前半については、インタビュー調査を再開でき、8月までに6名のインタビューを実施した。また、難病や障害のある学生のための就職活動情報サイト「EKKYO 障害や健康上の理由などで就活に不安を覚える学生のための情報サイト」の運用を2019年4月より開始し、学生からの情報収集を行っている。障害や難病のある学生の就労について、オムロン、D&I、バリアフリーカンパニー、などの民間企業、関西医科大学関係者と情報交換を進め、連携の可能性を検討している。8月に英国カーディフで行われた国際シンポジウムで、Health Promoting Schoolに関わるデータ収集について報告を行った。また、大阪大学ユネスコチェア『グローバル時代の健康と教育』のメンバーと連名で、健康面で脆弱な人々にとっての健康のための社会デザインというコンセプトでユネスコ文書に寄稿し、採択された。しかしながら、年度後半に、連携している非営利活動法人RDneTの代表者の香取久之氏の病状が悪化し、RDneTの活動が休止状態となったため、聞き取り調査が中断したままである。また、難病や障害関連の問題で組織的な連携を検討していたが、2月以降対面での打合せや面談が困難となり、これについても状況は遅れている。次年度についても、現在の状況では当事者への対面でのインタビュー調査が困難であるので、これまで聞き取り調査を実施した71件、67名のデータを基本に研究計画を再編する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、連携している非営利活動法人RDneTの代表者の病気療養のため、追加聞き取り調査15名を予定していたが6名しかできなかった。BSAでの報告に代えて、カーディフ大学でのシンポジウム報告としたが、がん患者の語りとの比較検討も遅れ、来年度に持ち越しとなった。事業所とのネットワークについては、連携を進めているが、2月以降の新型コロナウィルス感染症問題のため、相互の訪問やワークショップ開催も断念し、ウェブサイトにおける就労支援情報の提供のみを行っている。分担研究者の北海道大学への移動や、また、山本教授がユネスコチェア事業に大幅に時間をとられるなどの状況が重なり、さまざまな作業に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、現在さまざまな作業に遅れが生じているが、現在の状況で難病患者へのインタビュー調査の実施を見込めないため、2020年度は追加調査を断念し、がん患者との比較分析と最終報告書の作成に専念する予定である。また、事業所とのワークショップについても、現在の社会状況では、実施の見通しが立たないため、オンラインによる会議に振り替えることを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度後半に連携していたNPO法人RDneTの代表者が重篤な疾患のため活動を停止し、そのために聞き取り調査を予定通り進めることができなかった。報告を予定していた海外でのシンポジウムについて、JSPS Londonでのセミナー資金を得られたため、海外出張費の支出が不要となった。また、新型コロナ感染症の影響により出張等による打合せなどを全て見合わせたため、当初の予定より支出が大幅に減少した。次年度は最終年度となるため、報告書の作成およびウェブによる情報発信のために使用する予定である。
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