研究課題/領域番号 |
17K04126
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
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研究分担者 |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10432436)
岩江 荘介 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80569228)
樋口 麻里 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (80755851)
野島 那津子 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (00788614)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 希少疾患 / 難病 / インタビュー / 宙づり状態 |
研究実績の概要 |
2020年度は残念ながらコロナの影響により当事者へのインタビュー調査はすべて休止となった。基礎疾患のある人への対面でのインタビューはリスクが大きく、一部オンラインでのインタビューを予定していたが、初対面で非常にプライヴェートな内容に関わるためやはり調査協力者の方で躊躇もあり、対面での実施が可能になるまで休止することとした。加えて協力関係にあった支援団体(希少難病ネットつながるRDneT)代表者の容態が悪化し、移動を伴う会議・イベント等をすべて中止した。なお、分担研究者山本ベバリーアンによる患者会と研究の連携に関する考察、調査協力者による他領域の研究活動(「遺伝子差別に対する法整備に向けての法政策の現状分析と考察」代表 瀬戸山晃一)への参加の連携、学内における障害者就労支援会議の主催など、オンラインで実施可能なネットワーク活動については、可能な限り実施した。調査研究については、これまでに実施した72件のインタビューデータ約140時間の分析を中心に進め、オープン・コーディングを行った。これらについて疾患関連21,行政・福祉関連8,就学・就業状況関連12、経済状況3,社会関係8,コミュニケーション手段4,支援団体・当事者団体関連3、合計59領域の情報をまとめ、「社会的宙づり状態」「制度的陥穽」「疾患名によらないネットワーク作り」「コミュニケーション」をキーワードとして、横断的なカテゴリー化を行っている。フォローアップ調査や対面での会議などが必要な事項についてはすべて次年度まで延期し、最終報告をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響により予定していたインタビュー調査を実施することができなかった。希少疾患の当事者にとってはこの状況での移動や関西からの調査者の来訪を受け入れることはきわめて大きなリスクであり、またオンラインでの面談環境も整わないケースが多く、すべてのインタビュー調査を休止せざるをえなかった。このため今年度に予定していた調査と報告書の作成を来年度に延期することとした。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長を申請し、来年度に必要な調査を終え、最終的な報告書と研究成果の報告を行う予定である。これまでに72件のインタビュー調査を終えているが、可能であればあと8名程度の調査を行い、来年度後半に最終報告書を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナの影響により予定していたインタビュー調査・支援団体等との会議を実施できず旅費の支出が滞ったため、次年度まで研究期間を延長し、次年度に実施する予定である。
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