研究課題/領域番号 |
17K04126
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
|
研究分担者 |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10432436)
岩江 荘介 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80569228)
樋口 麻里 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (80755851)
野島 那津子 石巻専修大学, 人間学部, 准教授 (00788614)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 希少疾患 / 病の語り / 宙づり状態(liminality) / 難病 / 患者参加 |
研究実績の概要 |
2021年度は、依然として続く新型コロナ感染症の影響により、インタビュー調査は限定的にしか実施できなかった。基礎疾患を抱えるインタビュイーは対面でのインタビューを躊躇し、また、オンラインでの実施については対応出来るインタビュイーが少ないこと、初対面でのオンラインでのインタビューに躊躇する人が多いことがある。また、連携している希少疾患支援団体RDneTの代表である香取久之氏が、一昨年よりの長い闘病の末、2021年12月に他界されたこともあり、ウェブサイトを経由したインタビュイーの募集が機能しなくなったことも大きな原因である。このため、オンラインでのフォローアップ調査を4件、新たに実施した聞き取り調査は1件にとどまった。研究成果としては11月に日本社会学会にて口頭報告(山中浩司、野島那津子、樋口麻里「医学と社会的宙づり状態」2021.11.13、東京都立大学・オンライン開催)など2件を行い、また、大阪大学ユネスコチェアとの連携でR. Ogasawara, H. Yamanaka, et al., Status of School Health Programs in Asia: National Policy and Implementation, Pediatrics International (2022) 64, e15146など、論文3件を執筆した。年度末までに、これまでに実施したインタビュースクリプト全体のコーディング作業を進め、また、ユネスコチェアとの連携により、希少疾患当事者からみた健康、社会参加、教育の意義について、MOOC教材の製作を進めた。なお、希少疾患当事者のネットワーク作りについては、上記のように連携している支援団体の活動停止、新型コロナ感染症の影響による対面での会合の中止などが影響し、十分に進めることができなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビューの実施については、8件を予定していたが、くり返す感染症の流行により、基礎疾患を抱えるインタビュイーとの対面でのインタビューを実施できなかったこと、オンラインでのインタビューについては、パソコンなど必要な機材をもたないインタビュイーが多く、また、初対面でのオンラインインタビューを躊躇する人が多いこと、また、連携している希少疾患支援団体RDneTの代表である香取久之氏が、一昨年よりの長い闘病の末、2021年12月に他界されり、ウェブサイトを経由したインタビュイーの募集が機能しなくなったことが、理由で、実際にはフォローアップ調査を4件、新規のインタビューを1件実施するにとどまった。研究成果については、学会報告や論文の執筆はおこなったが、最終報告書のとりまとめにいたっていないため、2022年度まで延長することとした。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに実施した77件、68名のインタビュー(男性、27名、女性41名)のデータについて、中間報告書の延長上で分析を進め、最終報告書をとりまとめる。また、活動を停止しているRDneTの関係者と連絡をとり、今後のネットワーク作りの方法について検討をおこなう予定である。分析については、従来の59領域の分析とは別に、テーマ毎にカテゴリーの組換えをおこないながら、複数の学術論文として内外の学会誌に投稿する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の流行のため、調査、会議、学会出張のための旅費の支出がなかったため。次年度については、対面での会議と学会出張を予定しているため、残額を支出する予定である。
|