研究課題/領域番号 |
17K04126
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 浩司 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (40230510)
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研究分担者 |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (10432436)
岩江 荘介 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80569228)
樋口 麻里 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (80755851)
野島 那津子 石巻専修大学, 人間学部, 准教授 (00788614)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 希少疾患 / 病の語り / 境界性 / 宙吊り状態 |
研究実績の概要 |
計画当初は、最終的に合計95名のインタビュー調査の実施を予定していたが、コロナの影響や連携する団体代表者の死亡などの影響があり、最終的に75件の調査で終了した。また、アクセスが最も困難な病名未確定のカテゴリーについては十分な数の協力者を確保できなかった。当初DiPEX Japanのがんカテゴリーのインタビューデータとの比較分析を想定していたが、公開されている情報から比較可能な内容を特定することが困難と判断し、希少疾患当事者のみの分析とした。2022年度は、これまでに実施したインタビュー75件のデータから、除外基準をクリアした成人の当事者56名のデータを抽出し、希少疾患当事者が遭遇する社会的困難を中心にテーマ分析を行った。その結果、成人の希少疾患当事者が遭遇する社会的困難は、主に、「不合理な医療制度」、「不合理な社会制度」、「理解・説明の困難」、「自力と偶然の効用」、「社会カテゴリーを求めて」、「スティグマと道徳」の6つのテーマで構成されていることが明らかになった。これらのカテゴリーは相互に関連しあっており、多くの場合相互強化の関係にあることが推測される。また、こうした社会的困難の原因として疾患が社会的にもつ正当性、認知、可視性が影響しているものと推測した。分析結果については現在英文論文の投稿を準備している。分担研究者との間では、精神疾患やいわゆる「論争のある病」のような、正当性、認知度、可視性において希少疾患と比較しうる疾患群との比較が妥当と判断し、来年度以降の科研費研究で分析を行う予定である。なお、疾患当事者団体との連携については、コロナによる対面での会議の中止、連携する支援団体代表の死亡という二つの影響により、中断している状況であるが、今後別のプロジェクトにおいて試みたい。
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