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2020 年度 実施状況報告書

認知症概念の変容・浸透が支援実践に及ぼす効果に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K04128
研究機関東京大学

研究代表者

井口 高志  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40432025)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード認知症ケア / 認知症フレンドリーコミュニティ / 当事者 / 社会学的批判
研究実績の概要

今年度は研究成果のまとめと発表の時期にあたるため、中心的な成果は、昨年度までの調査データや研究実績をまとめつつ認知症をめぐるケアや実践の歴史全体の中に位置付け直した単著の出版であった。ケア実践の展開と、認知症の本人の「声」の登場という二点に焦点を当てて、認知症という概念の展開を示した。また、この本の出版をきっかけとして、医療人類学者や哲学者との対話、所属機関における公開講座での講演、ウェブ記事の公開など、研究成果を社会に伝えて行くような活動も行なった。その延長上に、老年精神医学に携わる人たち向けの専門誌への寄稿も行なった。
他方で、当初予定していた、国際学会等への参加・報告は、新型コロナウィルス感染症の流行の中で実施できておらず、また、進行が遅れていた認知症の人たちを包摂する地域での実践に関する調査、前年度まで行なっていたレビー小体型認知症サポートネットワークの活動のアクションリサーチが、活動そのものが控えられる中で、なかなか進められず、満足な実施ができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、当初エントリーしていた国際学会が延期となり、オンライン開催となったものの、日程的に参加できなかったため、成果の国際的な発信ができていない。また、遅れていた調査(地域における認知症フレンドリーコミュニティを形成しようとする実践)、最終的な調査(レビー小体型認知症サポートネットワークの活動)が、ともに活動の縮小に伴い、ほとんどできなかった。

今後の研究の推進方策

研究成果報告の場のオンライン化に対応し、学会等での成果報告を試みる。また、一部の成果は論文や著作の形で発信してきているが、本研究課題遂行期間中に得たデータについて、必ずしも十分に発表できていないので、それらを発表できるよう、論文等の執筆を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の世界的流行に伴い、当初予定していた研究発表、および調査旅費などの使用が困難となり、それと連動して、謝金支出や文字起こし費用などの調査等にかかる費用を使用できなかったため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 認知症との共生の社会学:予防と備えの対比から考える2021

    • 著者名/発表者名
      井口高志
    • 雑誌名

      老年精神医学雑誌

      巻: 32(2) ページ: 215,221

  • [雑誌論文] 書評:木下衆『家族はなぜ介護してしまうのか:認知症の社会学』2020

    • 著者名/発表者名
      井口高志
    • 雑誌名

      ソシオロジ

      巻: 65(2) ページ: 126,134

  • [図書] 認知症社会の希望はいかにひらかれるのか:ケア実践と本人の声をめぐる社会学的探求2020

    • 著者名/発表者名
      井口高志
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      978-4771032934
  • [図書] よくわかる福祉社会学2020

    • 著者名/発表者名
      武川正吾、森川美絵、井口高志、菊地英明
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4623089734

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公開日: 2021-12-27  

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