本研究は、性、生年、年齢、出身地域による地域移動傾向の確認、とくに地方からの地域移動(移出)および地方への地域移動(移入・帰郷・人口還流)に影響を及ぼす要因の特定とそのプロセスの確認を行うことを目的として、アグリゲート水準の複数の公開データに基づく統合的データベース構築、個人水準の公開データを利用した統合的データベース構築とこれらに基づく統計的分析を行った。その結果、(1)地方からの地域移動(移出)への男女差が消失する一方で、地方への地域移動(移入・帰郷・人口還流)には男女差が存続していること、(2)帰郷の男女差は性別職域分離と職種の地域的偏在によってもたらされていることが明らかとなった。
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