本研究では、日本の山村社会に張り巡らされた森林資源を介した人的関係網の生成プロセスについて調査研究を行い、以下の点を明らかにした。第一に、兵庫県北部地方(但馬)に全国各地から来訪した林業者の移動ルートと広域的な社会関係およびそれを支えた小集落の社会的役割を特定した。第二に、その背景にあった移動をめぐる排出地域と受入地域の全国的な俯瞰図を得た。第三に、定住と移動を組み込んだモノグラフおよび持続的な山村像の可能性を示唆した。 以上の調査結果について、学会発表9件、論文執筆7件、刊行物の発刊2件の研究成果を公表した。
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