研究課題/領域番号 |
17K04150
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
矢野 晋吾 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (00344341)
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研究分担者 |
三須田 善暢 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 准教授 (10412925)
福田 恵 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (50454468)
高田 知和 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (70236230)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会学 / 農村社会学 / 学説史 / 社会調査 / 村落社会学 |
研究実績の概要 |
本年度は、8回にわたって研究会を開催し、各自が担当している分野における課題について提示し、ディスカッションを行った。研究会については、①「報告書作成に向けての方針協議」2018年04月22日、②「目次案の検討」2018年06月17日、③福田惠「村落研究の新地平-『移動』をめぐる論点と課題-」、三須田善暢「神奈川大学日本常民研究所シンポジウム報告」2018年08月21日、④福田惠「松本通晴編、1993『形成期の農村社会研究-渡邉庸一郎先生に聞く」レビュー2018年09月23日、⑤「進行計画の策定及び細谷昂先生インタビューの質問項目調整」2018年11月17日、⑥「細谷昂先生インタビュー」調査2018年12月23日、⑦高田知和「昭和恐慌期とは――暉峻衆三『日本農業問題の展開(下)』から考える」2019年02月03日、⑧「細谷昂先生インタビュー」調査2019年03月17日であった。 上記に記した研究会を通じて、日本「農村社会学」の前史(特に戦前~戦後期)について、隣接諸分野の文献も含めた再検討を行った。とりわけ、大正から昭和初期の時代状況について、改めて実態の確認を行い、議論の足場を固める作業を行った。こうした一連のディスカッションを通じて議論を深め、現段階で残されている課題について析出を行い、スケジュールの策定などを進め、2019年度に進行すべき具体的な進行計画を模索した。並行して、各自による資料収集及び分析を進めた。加えて、有賀喜左衞門氏旧宅の新資料の目録作成、既に実施したインタビューデータのテキスト化及び整理作業を進行させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では7つの課題を設定して、研究を積み上げ、課題を達成することを計画してきた。即ち、①日本「農村社会学」の前史(特に戦前~戦後期)について隣接諸分野の文献も含めた再検討、②有賀・鈴木の視角の再検討(関係者からの聴取調査等)、③学知としての社会学全体からみた「農村社会学」確立過程の再検討、④戦後の研究としての「農村社会学」の展開(各研究機関が培った視点等について聴取調査)、 ⑤有賀旧宅から発見された新資料の整理・分析と公刊への準備作業、⑥明治以降の農山漁村における社会学的研究の課題と視点を整理し、現代及び今後の農村研究への新たな課題と分析枠組みを提示、⑦聴取調査資料等のアーカイブ化への準備作業、である。 本年度は計画として、①~⑤を中心に行う計画であった。①については、研究会を予定通り実施し、②については、細谷昂先生へのインタビューを2回にわたって実施した。③については、研究会を通じて議論を深め、⑤については、合宿で集中的に作業を行い、概ね資料目録を作成した。④については、資料収集は行ったが、具体的な聴取調査は来年度以降に持ち越している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は引き続き①~④の分析を行いながら、⑥の理論的枠組み作成のための資料摘出とディスカッションを行い、⑦の準備作業を進める。 ①については、各自が分担したテーマに基づき資料収集を行い、研究会を実施し、ディスカッションを通じて分析を進める。②については、有賀門下だった柿 崎京一氏の聴取調査について、テキストデータとしてまとめて公刊への道筋をつける。③については、引き続き東京教育大学関係者(黒崎八州次良氏)、九州大学関係者についての聴取調査も行う。④については、前年度と同じく研究会を通じて、種々の社会的経済的論争のなかで戦前期に社会学が学知として発展した過程を再検討する。⑤については、新資料の目録を完成させ、分析については三須田が中心になって行い、公刊に向けた方策の検討作業を行う。⑥については、毎回の研究会で、常に問題設定及び分析枠組みについて意識をしながら課題を洗い出し、論点を明確化していく。⑦については、聴取調査のデータを速やかにテキスト化しながら、順次公開できる形に進めていく。またウェブ上での公開に向けて、資料蒐集を行い、準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究費以外の研究費も利用できたこと、および研究対象者の事情(聴取調査がご本人の高齢、多忙等の理由により難しかった、など)により予定通りに進まなかったといった理由による。 今年度も、対象者の事情により計画が変更することもありうる。
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