研究課題/領域番号 |
17K04150
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
矢野 晋吾 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (00344341)
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研究分担者 |
三須田 善暢 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 准教授 (10412925)
福田 恵 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (50454468)
高田 知和 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (70236230)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社会学 / 農村社会学 / 村落社会学 / 学説史 / 社会調査 |
研究実績の概要 |
本年度は、5回にわたって研究会を開催し、各自が担当している分野における課題について提示し、ディスカッションを行った。また、日本村落研究学会の地区研究会として、セッションを組んで報告を行った。研究会については、①「研究計画の策定」2019年04月21日、②「研究計画の策定・研究資料公開に向けての方策検討」2019年06月16日、③三須田善暢「有賀喜左衞門における欧米研究者からの摂取について:読書ノートから」・福田惠「『資源』を介した人の移動と村落研究の可能性」2019年09月21日、④「日本村落研究学会東北地区研究会・グループ報告プレ報告」2019年10月20日、⑤「来年度の研究計画策定」2020年03月02日であった。 2019年11月23日には、日本村落研究学会東北地区研究会(於:岩手県立大学アイーナキャンパス)を研究グループが企画し、高田知和「趣旨説明」、矢野晋吾「日本農村社会学成立期における米国農村社会学の影響―20世紀初頭の米国農業政策とその転換、日本における受容―」、三須田善暢「有賀喜左衛門における欧米研究者からの摂取について:遺稿類から」、牧野修也「信濃教育会の 活動と 農村社会研究」、福田惠「コメント」の構成で報告を行った。 上記の活動を通じて、日本「農村社会学」の前史(特に戦前~戦後期)について、隣接諸分野の文献も含めた再検討を行った。こうした一連のディスカッションを通じて議論を深め、現段階で残されている課題について析出を行い、スケジュールの策定などを進め、2020年度に進行すべき具体的な進行計画を模索した。並行して、各自による資料収集及び分析を進めた。加えて、有賀喜左衞門氏旧宅の新資料の目録作成、既に実施したインタビューデータのテキスト化及び整理作業を進行させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、「研究目的」の欄で記した7つの課題を設定して、研究を積み上げていく。即ち、①日本「農村社会学」の前史(特に戦前~戦後期)について隣接諸分野の文献も含めた再検討、②有賀・鈴木の視角の再検討(関係者からの聴取調査等)、③学知としての社会学全体からみた「農村社会学」確立過程の再検討、④戦後の研究としての「農村社会学」の展開(各研究機関が培った視点等について聴取調査)、 ⑤有賀旧宅から発見された新資料の整理・分析と公刊への準備作業、⑥明治以降の農山漁村における社会学的研究の課題と視点を整理し、現代及び今後の農村研究への新たな課題と分析枠組みを提示、⑦聴取調査資料等のアーカイブ化への準備作業、である。 本年度は計画として、①~⑤を中心に行う計画であった。①については、研究会を予定通り実施し、②については、柿崎京一先生・細谷昂先生へのインタビュー資料の再構成を行った。③については、研究会を通じて議論を深め、⑤については、主として三須田が中心となって資料分析作業を行った。④については、資料収集は行ったが、具体的な聞き取り調査は来年度以降に持ち越している。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は引き続き①~④の分析を行いながら、⑥の理論的枠組み作成のための資料摘出とディスカッションを行い、⑦の作業を進める。 ①については、各自が分担したテーマに基づき資料収集を行い、研究会を実施し、ディスカッションを通じて分析を進める。②については、有賀門下だった柿崎京一先生及び細谷昂先生の聴取調査について、テキストデータとしてまとめて公刊への道筋をつける。③については、引き続き東京教育大学関係者(黒崎八州次良氏)、九州大学関係者についての聴取調査も行う。④については、前年度と同じく研究会を通じて、種々の社会的経済的論争のなかで戦前期に社会学が学知として発展した過程を再検討する。⑤については、新資料の目録を完成させ、分析については三須田が中心になって行い、公刊に向けた方策の検討作業を行う。⑥については、毎回の研究会で、常に問題設定及び分析枠組みについて意識をしながら課題を洗い出し、論点を明確化していく。⑦については、聴取調査のデータを速やかにテキスト化しながら、順次公開できる形に進めて行く。またウェブ上での公開に向けて、資料蒐集を行い、準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究費以外の研究費も利用できたこと、研究当事者の健康不安、及び研究対象者の事情(高齢、多忙等の理由)により予定通りに進行しなかったという理由による。 上記により、754,136円の未使用額が生じたが、これは、2020年度に出張旅費及び資料整理に関する物品費、資料整理等に対する謝金等として充当する予定である。
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