研究課題/領域番号 |
17K04151
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
大出 春江 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (50194220)
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研究分担者 |
松岡 悦子 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (10183948)
田間 泰子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 客員研究員 (00222125)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 産婆 / 助産婦 / 産院 / 助産所 / リプロダクティブ・ヘルス / 出産 / 医療化 / 産師法 |
研究実績の概要 |
本研究は2017年度に社会学、人類学、民俗学の研究者と助産専門家とが協力して研究を開始したものである。産婆は近代日本において西洋医学を学んだ女性が有資格者となったが、戦前日本では地域の公衆衛生の担い手となっていた歴史をもつ。これらを踏まえ、本研究は、助産職者の残してきた史料に焦点をあて、リプロダクティブ・ヘルスを歴史的かつ実証的に考えようとする点において独自の意義をもつ。これは文化資料の保存の観点からも極めて重要な意義をもつ。 当初の計画では、収集した史料の目録作成とデータ公開のために国立女性教育会館(NWEC)情報課と連携する予定でいたが、当該機関の受け入れ作業が完全に中断し、当初の予定を延期せざるを得なくなった(NWECは感染軽症者受け入れ施設のため)。2020年12月、京都府助産師会に依頼し、デジタル化済みの会館保管の原資料をNWECへ移管する作業を終了し、これらの目録作成とデータベースとして公開に向けた作業は2021年度科研(21H00775)に引き継ぎ進めることとした。 これとは別に2017年度科研費による研究のまとめとして、研究代表者が2017年~2020年に執筆した論文を大幅に加筆修正したものと、科研費調査の一環で収集した写真史料を加え、学術図書としてまとめた。この図書は2021年度科研費助成事業(研究成果公開促進費)(21HP5150)の交付を受け、大阪大学出版会より2022年2月末に出版した。図書は2017年度科研の成果物として日本助産師会および研究にご協力頂いた地域の助産師会に送付した。 コロナ禍で調査研究は大幅に制限されたが、デジタル化の終わった資料を見直す機会ともなり、宮城県、長野県、鳥取県から受け入れた昭和戦前期~戦後にかけての資料について、目録作成とNWEC移管手続きを進めることを決め、2021年度科研(21H00775)に引き継がれた。
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