研究課題/領域番号 |
17K04152
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
原田 謙 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (40405999)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 居住満足度 / 地域環境 / 高齢者 / 集合的効力感 / マルチレベル分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、都市部における高齢者の居住満足度に関連する要因を、地域環境に着目したマルチレベル分析によって明らかにすることを目的とした。本研究の枠組みの特徴は、個人レベルの要因だけでなく、地域レベルの要因が居住満足度に及ぼす影響を検討する点にある。 2018年度は、研究計画の中心となる郵送調査を実施した。調査対象者は、東京都墨田区、世田谷区、多摩市に居住する55歳から84歳の男女1,800人を二段無作為抽出した(各自治体から20地点、各地点から30人ずつ系統抽出)。回収数は820(回収率45.6%)であった。 具体的な調査項目は、地域集団/ボランティアへの参加状況、地域環境の評価(荒廃度、犯罪被害認知、集合的効力感など)、居住満足度、自治体の施設・サービス満足度、社会的ネットワーク(親族・友人関係など)、孤独感、身体的・精神的健康度、生活習慣(飲酒、喫煙、食習慣)、身体活動(運動/歩行時間)、本人の社会経済的地位などを用いた。 回収した調査データの入力およびクリーニングも終了した。さらに回収した調査データは、国勢調査などの地域データ(=地点ごとの人口特性、年齢構成、階層構成、住宅特性など)と結合し、マルチレベル分析が可能なデータベースを作成した。 すでに上記のデータ分析にも着手した。とくに(1)地域レベルの集合的効力感と居住満足度との関連、(2)婚姻状況、社会的ネットワークと孤独感との関連についての分析をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、当初の計画通りに郵送調査の実査も終え、順調に進んでいる。すでにデータ分析にも着手しており、2019年度に開催される学会発表にもエントリーした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通りに、調査協力者に結果をフィードバックするリーフレットの作成(ならびにWebでの調査結果報告)をすすめる。また連携研究者と適宜相談しながら、国内外での学会報告および海外のジャーナルへの投稿の準備をすすめる。
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