研究課題/領域番号 |
17K04155
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
嶋根 克己 専修大学, 人間科学部, 教授 (20235633)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 死の社会学 / 葬儀 / 脱共同体化 / 国際比較 / 東南アジア / ベトナム / evolutional thanatology |
研究実績の概要 |
日本の葬儀の近代化は、葬儀からの地域共同体の撤退、職場共同体・親族の撤退という段階を経て、家族の撤退という段階へと進行しつつある。葬儀の脱共同体化現象を、日本を含むいくつかの社会における質的・量的な調査によって明らかにしていくことが本研究の目的である。本研究において特に注力しているのはInternational Consortium for SWB Studiesが実施したアジア7カ国における量的調査と実施者が行った質的調査研究を組み合わせた研究成果についての国際的な情報発信と共同研究の促進である。 2019年度の大きな成果は、Springer社から出版されたQuality of Life in Japan: Contemporary Perspectives on HappinessにMasayuki Kanai, Dang Thi Viet Phuongとの共著でAncestor Worship and Quality of Life: Transforming; Bonds with the Deceased in Contemporary Japanが掲載されたことである。この著作ではSWBプロジェクトで得られた量的なデータと質的な知見を組み合わせながら日本の先祖崇拝の形が大きく変わっていることを論じた。 今年度は、タイ・バンコク市やベトナム・ダナン市などにおいて、火葬場や葬儀式場についての海外追加調査を行った。バンコクでは火葬、葬儀式、埋葬施設を兼ねた仏教寺院を訪問し、近代的な葬儀が行われていることが確認できた。ダナンでは自宅葬儀の現場に立ち会い、いまだに地域共同体が深く関与する葬儀形態が維持されていることが確認できた。国内においては「直葬」に実際に立ち会い、葬儀から地域、職場、血縁共同体が撤退し、葬儀の存続そのものが危うくなる状況について理解を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に引き続き英語での共著論文を発行できたことは大きな成果であった。また国内外において質的な観察調査を補足的に行ってきたが、これらの調査結果を公刊するにはいたっていない。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定された研究機関は終了し、研究の取りまとめはほぼ終了している。前年度に使用できなかった予算で海外出張を行い、補充調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に発生した新型コロナウィルスの流行により、海外出張が不可能になった。今年度の流行が収まれば海外補充調査費用として使用する。海外出張が不可能な場合には国内出張費に充当する予定である。
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