研究課題/領域番号 |
17K04156
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
辻 泉 中央大学, 文学部, 教授 (00368846)
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研究分担者 |
松田 美佐 中央大学, 文学部, 教授 (30292783)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | グローバルエリート / 社会関係資本 / ライフヒストリー / ソーシャルメディア / 若者 / 橋渡し型/結束型 / 外向き/内向き / 社会意識 |
研究実績の概要 |
本研究は、全体として国外2種類、国内2種類の調査からなり、すなわち国外調査A(英米・アジア圏での日本人グローバルエリートの若者への聞き取り調査)およびB(彼らと積極的に交流する現地の若者への聞き取り調査)、そして国内調査C(グローバルエリートを志す若者への聞き取り調査)とともに、これらの知見を計量的に跡付ける国内調査D(ウェブアンケート調査)を実施し、総合的に分析する予定である。 平成29年度は、国外調査A(アメリカ)を研究代表者である辻が、国内調査Cを研究分担者である松田を中心とするメンバーが、さらに全員で、「予備研究α(先行研究の整理および既存調査データの分析)」を行った。 国外調査Aについては、夏休み期間を利用して、ロスアンゼルス(アメリカ)を訪問し、中央大学同窓会組織(白門会)の協力も得て、現地で活躍する日本人10名弱への詳細な聞き取り調査を行った。調査においては、非構造化インタビューの手法によるライフヒストリーの聞き取りを中心に、「外向き」志向や「橋渡し型」社会関係資本の形成過程とともに、ソーシャルメディアの利用過程を辿った。 国内調査Cについては、中央大学国際センターなど諸機関の協力を得て、長期留学経験者や海外勤務希望者にあたる大学生20数名への詳細な聞き取り調査を行った。調査手法については、国外調査Aと同様である。 「予備研究α(先行研究の整理および既存調査データの分析)」については、関連する先行研究の資料収集、整理とともに、2015年に実施した量的調査と先行調査のデータの分析を行い、「外向き」志向減少の経年変化を辿りつつ、その規定要因について、基本属性以外にソーシャルメディアの利用状況などを投入した重回帰分析によって探索的に分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロスアンゼルス(アメリカ)においては、国外調査B(現地の若者への聞き取り調査)が調査期間の不足もあって十分に行えなかったが、その分、国外調査A(日本人グローバルエリートへの聞き取り調査)を十分に行うことができ、今後につながる情報交換なども行うことができ、有意義であった。 また当初平成29年度に予定していた「予備研究β(雑誌歴史分析)」を延期し、平成30年度に予定していた国内調査C(グローバルエリートを志す若者への聞き取り)を前倒しして実施した。これは研究代表者(辻)が、平成30年度に所属先の在外研究制度でロンドン(イギリス)に滞在することになったためである。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる平成30年度は、研究代表者(辻)が所属先の在外研究制度によって、ロンドン(イギリス)に滞在することになったため、主としてこれによる変更を加えた上で、おおむね予定通りに研究を遂行する。在外研究制度によって、研究代表者は、主としてロンドンでの研究に専念する必要があるが、全体的な研究の遂行に影響はない。 引き続き研究代表者および分担者(松田)を中心に、国外調査AならびにBを予定通り遂行するが、その際、前者については中央大学同窓会組織(白門会)などの、後者についてはロンドン大学SOASキルシュ・グリセルディス講師などの、関係者ならびに関係機関の協力を得る予定である。 3年目にあたる平成31年度も、バンコク(タイ)での調査をはじめとして、予定通りの調査を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は、ほぼ予定通りに研究費を使用したが、別記のとおりのマイナーな研究計画の変更や、旅費の見積もりとの微細な違いなどにより、3020円の次年度使用額が生じた。 平成30年度は、研究代表者が所属先の在外研究制度によりロンドン(イギリス)に滞在することになったが、本研究の計画に大きな変更はなく、研究分担者や研究協力者などの旅費に多くの研究費が必要となるため、計画通りの支出を予定している。
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