研究課題/領域番号 |
17K04157
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
西野 理子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50257185)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 全国家族調査 / パネルデータ / パネルデータ分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、全国規模の家族パネル調査データを活用して、親子、きょうだいという定位家族成員間の関係性の変容過程を探求しようというものである。 本研究で用いるパネルデータは、日本家族社会学会全国家族調査委員会による全国家族パネル調査(NFRJ-08Panel)である。第1波は、住民票を用いた層化二段抽出による全国確率標本で実施された。回答者のうち、追跡調査に応諾した1,879名を対象に、その後4回にわたってデータが蓄積されている。 一昨年度に精査したデータセットを用いて、今年度は分析を進めるとともに、分析技法の検討を重ねた。今年度は、構造方程式モデル(SEM)の技法の修得につとめ、それを活用した分析をすすめた。その成果は、9月に開かれた日本家族社会学会第30回大会において、「夫婦関係分析におけるダイアド・データ活用の可能性」と題する報告を行った。SEMのモデルを利用すると、変数の合成とは異なった手段で、理論的に想定している上位概念を把握することが可能になる。報告では、夫婦関係の質をテーマにSEMのモデル検討を通じて、結婚の質概念がどのように把握できるかを検討した結果を明らかにした。ある時点で複数の変数の連関構造を同定しても、パネル調査のように複数時点を視野に入れると、複数時点ではそれぞれ同一の構造を想定できない難点を抱えていたが、SEMではそれが解決できることを確かめることができた。 また、ひきつづき、日本国内で行われてきた各種パネル調査の情報収集につとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パネルデータの各種の分析を行っているが、分析の成果の全容を明らかにするにはいたっていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進め方に大きな変更はない。 夫婦関係の分析を進行させることができたので、その成果を公表できるようにまとめるとともに、きょうだい関係の分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19流行の影響により、出張がまったくできず、予定していた研究者からの専門的知識の提供が実現できなかった。 2021年度は、オンラインを活用して専門的知識の提供を受けるとともに、成果のとりまとめにむけて情報の収集に努める予定である。
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