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2021 年度 実績報告書

依存問題を取り巻く社会環境と依存問題への支援に関する社会学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 17K04158
研究機関日本大学

研究代表者

中村 英代  日本大学, 文理学部, 教授 (50635191)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード依存症 / 回復 / 資本主義 / ベイトソン / ダルク / 薬物依存 / アルコホーリクス・アノニマス / 12ステップ・グループ
研究実績の概要

本研究の目的は、依存問題とそこからの回復を、社会環境を含めた視座からとらえなおすことにある。その際、①資本主義社会における依存問題、②回復支援の共同体、③当事者の語りの考察という3つの課題を設定し、これらを総括することで社会学の観点から総合的に依存問題を明らかにした。最終年度である2021年度は、以下の研究を行った。
①については、これまでの調査研究を踏まえた上で、依存問題を個人病理としてとらえるだけでなく、この社会で必然的に生じる行動様式のひとつとしてとらえ、依存症が問題化する社会環境について考察した。
②については、国内の薬物依存の回復支援施設ダルクと依存症からの回復のための世界規模の共同体である12ステップ・グループの考察を行った。ダルクや12ステップ・グループという共同体は、依存症のセルフヘルプ・グループの形をとっているが現代の資本主義社会の原理(金銭の追求や就労の重視、上下関係のある人間関係など)と明確に距離を置く特殊な形態の共同体であり、そこには独自の規範、文化、運営システムがあることを明らかにした。また、そこでの回復過程では、目的論から宿命論への自己変容が生じていることも指摘した。
③については、依存症の支援に関わる支援者10名に実施したインタビューから、1)依存症の支援の近年の変化の動向を指摘するとともに、2)彼らの支援を「変えようとしない支援」、「つなげる支援」、「相手から学ぶ支援」としてまとめた。
最終年度のため、5年間の研究期間に行った調査研究の結果を単著(『依存症と回復、そして資本主義―暴走する社会で〈希望のステップ〉を踏み続ける』)としてまとめることで、本研究プロジェクトを予定通り終了することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ナラティヴ・アプローチの新たな展望―関係性への着目2021

    • 著者名/発表者名
      中村英代
    • 雑誌名

      保健医療社会学会論集

      巻: 32 ページ: 21-23

  • [図書] 依存症と回復、そして資本主義―暴走する社会で〈希望のステップ〉を踏み続ける2022

    • 著者名/発表者名
      中村英代
    • 総ページ数
      261
    • 出版者
      光文社

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公開日: 2022-12-28  

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