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2018 年度 実施状況報告書

precariousな就労の質の改善に向けた連携組織の構築に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K04159
研究機関日本大学

研究代表者

小谷 幸  日本大学, 生産工学部, 准教授 (30453872)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードprecarious work / 連携組織 / 米国 / 最低賃金引き上げ運動 / 労働組合 / ワーカーセンター / シンク・アンド・アクトタンク
研究実績の概要

1990 年代以降のグローバリゼーションの急速な進展、そして特に2008年のリーマンショック以降、労働法や社会保障制度及び労働組合の保護や規制から排除された「不安定な仕事」(precarious work)が世界的に急増し、格差の拡大、貧困層の増大を招いている。こうした状況に対し、米国では当事者組織であるワーカーセンターや労働組合、労働NGO、大学が連携組織を構築し、市・州単位での最低賃金引き上げキャンペーンを成功させている。
しかしながら、日本ではこうした連携組織は存在していない。そこで本研究の目的を、既存の労使関係システムから排除されたprecarious workに従事する労働者の直接的な処遇改善を目指す連携組織の、日本における構築可能性を検証することとする。
今年度は研究計画に基づき、①米国における連携組織の実態調査,②米国の参加型労働教育手法収集に基づく教育プログラムの整備,③日本における参加型教育プログラムの実践・評価,を実施している。
①では,2013年度日本大学海外派遣研究員(長期)制度の支援を受けた研究活動を基盤とし,米国カリフォルニア州サンフランシスコ市,オークランド市における最低賃金引上げ運動に連携組織が果たした役割に関するフィールドリサーチを継続している。
②③では,米国の女性アクティビスト向けサマースクールに参加しプログラムを収集・整備した。特に「包括的な組織を作る」と題したクラスに参加し,どのように公正な組織を作るかにつき,特権・抑圧・公正・インターセクショナリティといったキーワードを用いた参加型学習を体験した。それに基づき,東京で参加型労働教育ワークショップを実践した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の計画である①米国における連携組織の実態調査,②米国の参加型労働教育手法収集に基づく教育プログラムの整備,③日本における参加型教育プログラムの実践・評価,のうち,①では,複数の学会発表と論文発表を実施した。
②③では,米国の女性アクティビスト向けサマースクールに参加しプログラムを収集・整備した。それに基づき,東京で参加型労働教育ワークショップを実践した。

今後の研究の推進方策

本研究の計画である①米国における連携組織の実態調査,②米国の参加型労働教育手法収集に基づく教育プログラムの整備,③日本における参加型教育プログラムの実践・評価,のうち,①では,さらなる学会発表,論文発表を実施する。
②③では,米国の女性アクティビスト向けサマースクールに参加しプログラムを収集・整備するとともに,複数の場でで参加型労働教育ワークショップを実践する。

次年度使用額が生じた理由

米国のワークショップ参加費用が、為替レートの関係で予算立てを下回ったため。次年度のワークショップ参加費用に使用する。

備考

「北米西地域の労働運動から学ぶ~「女性」のための参加型教育~」東京ウィメンズプラザフォーラム(2018,10,27)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「戦略的キャンペーンで最低賃金引き上げる アメリカ労働運動から学ぶべきもの」2018

    • 著者名/発表者名
      小谷 幸
    • 雑誌名

      『KOKKO』(山之内出版)

      巻: 34 ページ: 134-151

  • [学会発表] 米国のワーカーセンターと連携組織による労働条件改善 ―サンフランシスコ湾岸地域の最低賃金引き上げ運動を事例として―2018

    • 著者名/発表者名
      小谷 幸
    • 学会等名
      社会労働問題研究会
  • [学会発表] Minimum wage coalitions in the US; Focus on partnership between Unions and Community2018

    • 著者名/発表者名
      Sachi Kotani
    • 学会等名
      Workshop “Historical Change of Regular/ Irregular Work
  • [図書] 「アメリカの最賃運動・地域運動の展開」『最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし』2018

    • 著者名/発表者名
      小谷 幸
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      大月書店
    • ISBN
      978-4272310531

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公開日: 2019-12-27  

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