研究課題/領域番号 |
17K04167
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
株本 千鶴 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (50315735)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 死にゆく行為 / 韓国 / 連帯 / 脱医療化 |
研究実績の概要 |
①研究仮説の設定:研究仮説を設定し、それに沿った社会学的分析の方法や現地調査の計画等について検討した。②ヘルスケア政策として実施されている終末期ケアプログラムに関する先行研究の収集と検討:英語文献・韓国語・日本語文献の収集と検討を行った。③学会参加による関連研究の最新動向の把握:日本緩和医療学会学術大会、日本死の臨床研究会に参加し、関連研究の最新動向を把握した。④既刊資料の調査:所轄官庁(保健福祉部)や国民健康保険公団政策研究院、国民健康保険審査評価院、がんセンター、ホスピス・緩和医療国民本部が刊行する資料を調査し、在宅ホスピスモデル事業の実施状況・診療報酬案・診療報酬化の問題点などを内容に含む資料、啓発普及事業の実施状況・現状における問題点などを内容に含む資料を収集した。⑤関連機関での資料調査とインタビュー調査:3か所の在宅ホスピスモデル事業実施機関に依頼し、資料調査とインタビュー・訪問観察調査を実施した。インタビュー内容は、在宅ホスピスの診療報酬化に向けたモデル事業の経緯や現状、問題や課題など。啓発普及事業については、国民健康保険公団政策研究院の担当者等に依頼し、資料調査とインタビュー調査を実施した。インタビュー内容は、ホスピスに関する啓発普及事業実施の経緯、現状、問題や課題など。⑥次年度のインタビュー調査準備:在宅ホスピスに関しては、モデル事業の対象機関のなかで、診療報酬化に向けた事業状況と官民の機能についてインタビューを依頼できる対象候補を検討した。ホスピスに関する啓発普及事業については、ホスピス・緩和医療国民本部の主要メンバーにヒアリングを行い、インタビューの可能性について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①研究仮説の設定と②ヘルスケア政策として実施されている終末期ケアプログラムに関する先行研究の収集と検討はほぼ達成できたが、④既刊資料の調査と⑤関連機関での資料調査とインタビュー調査については、啓発普及事業にかんする資料調査とインタビュー調査がやや不十分である。⑥次年度のインタビュー調査準備についても、啓発普及事業については、インタビュー対象者の選定までには至らなかったので、この点については次年度の早い段階で決定する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
①インタビュー調査の実施:関係者に対するインタビュー調査を実施する。在宅ホスピスを中心に官民協働システムを展開する機関の実務者にインタビュー調査を実施する。インタビュー内容は、運営状況、診療報酬化に向けたモデル事業の内容や診療報酬案に対する所見、実務における行政と市民の機能、官民協働の問題点・課題など。啓発普及事業については、ホスピス・緩和医療国民本部の主要なメンバーに対するインタビュー調査を実施する。インタビュー内容は事業内容、事業における行政と市民の機能、官民協働の問題点・課題など。連絡調整は申請者が直接行うが、現地コーディネーターの協力・援助を仰ぐ場合もある。依頼の手続としては、インタビュー調査の趣旨や個人情報の取り扱い方等についての説明を記述した依頼文書を作成し、申請者が直接あるいはメールか郵送で対象者に送付し、同意を得た上で調査を実施する。②文献補足調査:インタビュー調査の結果、収集の必要が生じた文献、資料を収集する。また、前年度と同様の資料を対象とした補足的な文献調査も行う。韓国語の文献の場合は現地で収集する。*韓国国内事情(政治状況、災害等)によって調査が不可能な場合は31年度に調査を延期する。③学会参加による関連研究の最新動向の把握:日本緩和医療学会学術大会、日本死の臨床研究会、日本社会学会、日本生命倫理学会等の学会に参加し、関連研究の最新動向を把握する。
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