夏季・春期休暇中にインタビュー調査を追加実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まらなかったため、調査地である韓国への渡航が不可能となり、調査を実施できなかった。また、専門機関や図書館などを直接活用しての韓国現地での文献補足調査や関係者へのヒアリングもできなかった。これらの事情により、2021年度は以下の研究作業を行った。 (1)2017~2019年度のあいだに韓国現地で実施したインタビュー調査結果の整理:調査対象は、在宅ホスピスおよび圏域センターで実務に携わる医療者、社会福祉士、コーディネータ等で、インタビュー内容は、機関や利用者の基本的情報、行政機関・民間機関との連携状況、機関の機能・役割・運営、ホスピス緩和医療関連制度・政策に対する意見、ホスピス緩和医療の質を維持するための方策等である。データ整理の後、調査結果と先行研究による知見を総合し、死にゆく行為の援助施策における行政と市民の機能や連携、問題点等の分析を試みた。援助において効果的な官民の役割と課題についても考察した。 (2)文献補足調査:韓国のホスピス・緩和ケア政策・制度関連文献・資料、在宅ホスピス実践関連文献・資料、コミュニティケア関連文献・資料、社会保障政策・社会政策・医療政策関連文献・資料、死の社会学関連文献・資料(日本語、英語、韓国語)の調査を行い、必要な文献・資料を追加入手した。 (3)アジア太平洋ホスピス緩和ケア大会、日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会、社会保障国際論壇札幌大会、日本社会福祉学会に参加し、本研究と関連する研究の最新動向を把握した。
|