研究課題/領域番号 |
17K04169
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
関根 薫 皇學館大学, 現代日本社会学部, 准教授 (10319395)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 老人クラブ / ソーシャル・キャピタル / 地域類型 / リソースジェネレーター |
研究実績の概要 |
令和元年度は、昨年度に引き続き、三重県老人クラブ連合会に加盟している1,675単位老人クラブの代表者を対象に実施した実態調査結果を分析対象とし、リソース・ジェネレーター(30程度の他者に協力を依頼するような具体的な項目を用意し、その協力を得られる知り合いの存在や関係性について質問を行い、回答者がアクセスできる資源の種類を測定するもの:栗島英明他2015)を用いた老人クラブ会員のソーシャル・キャピタルの測定を行い、その特徴を明確化するとともに、ソーシャル・キャピタルに影響を及ぼす社会的要因について考察を行った。分析の結果、獲得率が高かった項目の上位に「安心・安全」分野のリソースが多く含まれ、他方、獲得率が低かった項目に「専門知識・技術」分野のリソースが多く含まれているという結果が得られた。また、「都市部」と「非都市部」のリソースの獲得率に有意差が認められた項目のうち、差が大きかったものの上位に「安心・安全」分野のリソースが多く含まれ、いずれも「非都市部」の方が獲得率が高いという結果が得られた。そして、各分野のリソース獲得数と市町ならびに老人クラブのデータとの関連については、①総人口が少なく、②人口密度が低く、③平均年齢が高い、市町に所在する老人クラブの方が「安心・安全」分野のリソース獲得数が多いという結果が認められ、地域における諸特徴と老人クラブ会員のソーシャルキャピタルの関係を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和元年度は、老人クラブ会員のソーシャル・キャピタルの測定を行いその特徴を明確化するとともに、ソーシャル・キャピタルに影響を及ぼす社会的要因についての分析まで進めることができた。当初計画では、特色有る地域連携をしている単位老人クラブの活動内容を明らかにするために、アンケート調査実施の後に、三重県内において先進事例に関するヒアリング調査を予定していたが、アンケート調査の分析に想定以上の時間を要し、現在ヒアリング調査の実施が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、量的調査の分析を通じて、地域連携状況の「都市部」・「非都市部」による類型化を試みる。また併せて特色有る地域連携を実践している単位老人クラブ代表者へのヒアリング調査を実施し、本調査研究で得られた知見を最終報告書として纏める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、当初計画していた旅費使用および調査研究報告書印刷製本費使用が発生しなかった為である。次年度は特色有る地域連携を実践している単位老人クラブ代表者へのヒアリング調査ならびに成果報告書に伴う費用として使用する。
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