経済成長と若年層の消費市場参入を受けて、東南アジアのサッカー市場は急速に拡大している。本研究では、その新興市場における(主としてアフリカ出身)移民選手のサバイバル戦略とネットワーク構築に着目した。現地調査を通じて明らかになったのは次の4点である。①選手らは域内の複数リーグを年度毎の移籍先として認識し、継続的に情報収集している。②所属クラブをまたいだインフォーマルな共同練習を継続し、移民選手としてのプレーのアイデンティティとレベルを保っている。③移籍時に「外国人選手」に期待されるイメージを活用する工夫をしている。④市場の発展に伴い、移民選手の出身地域ごとの競合がはげしくなっている。
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