研究課題/領域番号 |
17K04171
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
鄭 雅英 立命館大学, 経営学部, 教授 (90434703)
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研究分担者 |
林 梅 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (20626486)
高 誠晩 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (40755469)
玄 善允 大阪経済法科大学, アジア研究所, 教授 (80388636)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 移民とナショナリティ / 移動するマイノリティ / 済州4・3事件 / 中国朝鮮族 |
研究実績の概要 |
研究初年度で研究代表者及び研究分担者で協議のうえ、初年度は各テーマに沿った研究会の開催と現地調査を並行することとした。 本科研の主題であるコリアンのナショナリティ分析の側面から2017年4月23日には玄善允(研究分担者)が「台湾の日本語作家黄霊芝と在日朝鮮人文学者との、日本語とその文学に対する考え方の対比」を報告(鶴橋OUEL研究センター)、同10月1日に林梅(研究分担者)は「「留守」を生きる村」朝鮮族族研究学会大会特別セッション(本科研研究会と共催、立命館OIC)の報告を行っている。さらに高誠晩(研究分担者)は同10月8日、「『<犠牲者>のポリティクス:済州4・3/沖縄/ 台湾2・28 歴史清算をめぐる苦悩』の概要と成果、 これからの新たな課題」(国際高麗学会日本支部人文社会研究部会、立命館梅田キャンパス)を報告するなど、韓国済州島出身在日朝鮮人と中国朝鮮族の移動とエスニシティの変容、それらの背景と問題点に関し研究の進展を報告し、これらを基にした論文を学術誌に発表している。鄭雅英は10月20日カザフスタン国立大学で開かれた「高麗人強制移住80周年」を記念するカザフ・韓国・日本の国際シンポジウムのラウンドテーブルに参加し、在外コリアンの歴史と変容に関しての公開討論を行った。 済州島と中国の現地調査に関しては、玄と高が済州島調査を夏季を中心に行い、林と鄭は3月に中国・黒竜江省の朝鮮族農村部を複数調査し、移動による文化とエスニシティの現況に関し聞き取り調査を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者を含め、テーマに沿った調査と研究はおおよそ予定通りに進められた。今年度は、従来、各自で蓄積してきた研究内容にそった報告と論文成果が中心だったが、研究会を通じてその延長線上で本科研のテーマ移民の「ネーション(国民)」意識に関する研究-中国朝鮮族と在日朝鮮人を事例に」により引き寄せた研究方向も議論が行われた。またテーマに応じた現地調査も旺盛に進められており、次年度以降の研究業績への反映が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度も17年度と同じ参加者のもとで本科研研究会を構成し、韓国と中国各地での関連調査を極力共同で行えるよう計画を立案し、それぞれの研究内容をテーマに引き寄せた形で業績化できるよう議論の場をより多く持つこととしたい。 現在のところ、関連研究会との共催の場を含め6月30日、7月14日、10月20日の研究会開催を予定している。夏季には中国少数民族のナショナリティとエスニシティに関する共同調査も計画中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
鄭雅英(研究代表者)の調査実行予算額が事前の予想を下回り分担金に残額が生じた。2018年度に、在日済州島出身者からの聞き取り録の文字起こし謝金など調査関連費用としてとして使用する予定である。
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