1990年代半ば以降のグローバリゼーションの中で、労働の規制緩和政策が大々的に推進された結果,労働の非正規化が急速に進展した。それは、法や制度の保護から排除され、劣悪で不安定な雇用条件の下に置かれたプレカリアスな非正規労働者を増大させた。とくに、少子高齢化社会の韓国で、家事労働者や、介護労働者といった女性ケアワーカーにおいてそれは顕著である。本研究では、韓国の女性家事労働者と介護労働者に焦点を当て、その労働実態や生活実態を明らかした。さらに、労働者権を否定された上、原子化され分散的に存在するが故に労働組合への組織化が困難な彼女達の新たな社会運動を追跡し、その特徴を浮き彫りにした。
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