研究実績の概要 |
北米におけるインターセックス社会運動における動向と、新たなフィールドとしてオーストリアにおけるインターセックス社会運動における動向について、主にインターネット上で公開されている団体アカウントによる記事ポストと、出版物を中心にして言説分析を行った。これにより、国を超えた連携がより顕著な形で起きていること、それも国連やホワイトハウスなどの影響力が大きい場で一般へ向けた取り組みが紹介されていることが明らかになった。また、「インターセックス」を指す呼称のゆらぎの問題は変わらず存在していることが明らかになった。そうした呼称のゆらぎの問題においては、団体や国の違いによる差異よりも、言語背景による運動への取り組みの差異があることが明らかになった。「ジェンダー」「セックス」という言葉そのものと、意味づけの差により、「インターセックス」という呼称に対する態度に違いが表れていることが明らかになった。 研究成果発表として以下の4件を行った。まず、11月には第33回エイズ学会において共同でポスター発表(「薬害被害者の心理的支援方法の検討」)を行った。12月には奈良女子大学社会学研究会において基調講演(「インターセックス / DSDの現状と課題ーー名称変更とフィードバック」)を行った。2020年1月には日本研究学会(Japan Studies Association)にて研究成果発表と情報収集("Modern Yoga in Japan: Feminization, Consumer Culture, Fashion, Medicine, and Spirituality.")を行った。
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