研究課題/領域番号 |
17K04185
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
入江 恵子 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (10636690)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インターセックス / 性分化疾患 / ライフコース / 逸脱研究 / ジェンダー研究 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、本年度も本来の研究計画から大幅に変更した。海外での調査を実行する予定だったが渡航できない状況が続いたため、国内にて遂行できる研究計画を立て直した。具体的には昨年度に引き続き、分析枠組みの検討と文献資料に基づく言説分析を行った。また、研究の成果発表として海外学会発表(オンライン)を行った。また、オーストリアの当事者が行ったベルリンにおける美術館での展示について、オンライン上で可能な限りの情報収集を行った。また、昨年度に引き続き共同研究の計画を練り直した。 分析枠組みの検討としては、昨年度までに作成していた当事者の身体の総合作用の概念図を基に、当事者の個人レベルで経験される身体の医療化について理論的構築をはかった。これにより、先述した文献資料の分析において、自らが経験する身体的違和感という経験を基軸に捉え、理解や不信感といった葛藤を認識しながら専門家支配された知と向き合っていることを明らかにした。 前年度からの調査によって得られた知見について、2022年3月にAAS 2022(Association for Asian Studies)において、"The Generation Gap among Patients' Narratives: HIV Infection due to Tainted Blood Products in Japan.," "Modern Yoga in Japan."としてオンラインで個別発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
渡航できない状況にあったため、オンラインでの情報収集と当事者とのやりとりを行ったが、聞き取り調査としては成果を上げられなかったため。特に美術館での展示という、オンラインでは制限があり、当事者運動やその場における相互作用などじゅうぶんな調査には繋げられなかった。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインで得られる情報やデータに限りがあるが、引き続き当事者らとやりとりを継続する。そのうえで、渡航が可能になったときに調査に移れるように関係性を構築する。また、文献調査を並行して行うことにより、理論の精査を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた海外調査を実行することが不可能になったため。
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