研究課題/領域番号 |
17K04187
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
木原 滋哉 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 教授 (20259922)
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研究分担者 |
市橋 秀夫 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70282415)
大野 光明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (80718346)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会運動 / ベトナム反戦運動 |
研究実績の概要 |
(1)「地域べ平連研究会」を東京と佐世保において開催した。佐世保で開催した際には、地域べ平連について研究会を実施するだけではなく、地域におけるべ平連活動についてインタビューを実施するとともに、地域におけるべ平連活動について当事者の皆さんと協議することができた。1970年前後に、佐世保にもアメリカの反戦活動家が滞在しながら、反戦活動を担っていたという事実も明らかにすることができた。 (2)「地域べ平連研究会」の研究成果として、論文集の出版、資料の復刻出版の企画を具体化させている。それぞれの企画について、出版社と話を進めるとともに、その内容について具体的に協議しながら、各自で調査・研究を深めている。 (3)インタビューについては、サンフランシスコ、横須賀、北九州、山梨など各地で実施するとともに、関係者から新たな資料を提供してもらうなどして、資料の発見・収集も順調に進んでいる。アメリカの反戦活動家が、日本でどのようにしてベトナム反戦活動を行っていたのか、その組織的支援体制はどのようなものであったのか、資料とインタューによって次第に明らかにできてきた。さらに、現代にいたるまで、反戦平和運動を担っているグループについてインタビューを実施して、ベトナム反戦運動の在り方が現在に至るまで大きな影響を及ぼしている点も明らかになってきた。 (4)学会での報告、論文の執筆の形で研究成果の公表も着実に進めている。大野)は、日本平和学会で、「脱軍事化の実験と経験ー1970年代、沖縄にわたったアメリカ人反戦運動(パシフィック・カウンセリング・サービス)を事例に」を報告するとともに、論文「太平洋を越えるべとなう帆船運土の軍隊『解体』運動の経験史」を公表している。木原は、日本平和学会で、「国境を越えたベトナム反戦運動ー帆船米兵の支援運動をめぐって」を報告した。その他にも、論文などの形で研究成果を形にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
◎調査については、国内およびアメリカにおいて資料収集、インタビューを着実に進めるこ とができている。アメリカの反戦活動家が日本でどのような活動をしていたのか、日本におけるベトナム反戦運動についてのこれまで知られていなかった事実を明らかにすることができている。 ◎研究会については、東京や佐世保で2回開催することができた。研究会のほかにも、復刻出版などについて検討するために研究会を開催した。 ◎地域べ平連の資料の復刻出版、研究成果の出版について、出版社とも協議しながら、具体的に作業を進めている。これらの出版は、2019年度中には準備を終えて、来年度2020年度には、出版できるように順調に準備を進めている。 ◎研究成果については、学会で報告したり、論文のかたちで公表している。
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今後の研究の推進方策 |
◎調査については、今後も、国内およびアメリカにおいて資料収集、インタビューを進める。インタビューについては、まだインタビューできていない方を探し出して、インタビューを継続する予定である。 ◎今年度すでに、資料の復刻出版について、検討会を開催しているが、研究成果の出版のために、今年度中に2回研究会を開催して、具体的に議論を重ねて、原稿の作成、完成を目指す予定である。 ◎それぞれが、学会報告や論文執筆のかたちで、研究成果を公表していく。2年間の共同研究を経て、出版以外にもさまざまな場面で研究成果を公表できるようになっているので、順次公表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に予定していたアメリカでのインタビューおよび資料収集について、研究分担者の大野は、予定通りに実施できたものの、研究代表者の木原は、2018年夏の豪雨災害の影響により調査に必要な日程を調整できなかったなどの事情により実施できなかったために、その分を2019年度に実施する計画に変更した。
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