高齢者本人を尊重したケアの方法として、「本人への意向の伺い」と「本人の意向の代弁」が行われていた。そこでは提案への意味づけを、相手(福祉の支援者/離れて暮らす家族)に受け入れやすい形へと変化させる作業が行なわれていた。また親を意思決定に関与させる位置は、多くの場合、離れて暮らす子供とケアマネジャーによる意思決定について合意が図られた後であることが明らかになった。これは、認知判断能力に、衰えが見られる親を意思決定に関与させるため、子供とケアマネジャーの意思決定の過程を反映させて、親の応答が行いやすくなるように、yes-no質問の形式での発話順番のデザインを実現するためであった。
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