2019年度は、東京と大阪(関西)の2か所で、それぞれ年4回の学習会を予定した。学習会の内容及び進め方は前年度と同様である。学習会は東京、大阪(関西)とも6月、9月、12月に行われ、3月の学習会は中止となった。本来であれば、3月の学習会の際に、1年間の学習会をふり返る形でのアンケート調査を実施するはずであったが、それは行わないまま終了となった。また、2019年度の学習会を基にした論文の作成等は行えていない。 しかしながら、相当な数の学習会を3年間行ってきたことにより、スクールソーシャルワーカー(以下、SSW)らが実践においてどのような課題を持っているのか、SSWに対して「スタンダード」の解説を行う際、何に重点を置いて説明する必要があるのかを把握することができた。それらの知見を基に、2019年度末に、「スタンダード」の解説書である、『スクールソーシャルワーク実践スタンダード:実践の質を保証するためのガイドライン』(明石書店)を出版することができた。 また、これまでの学習会及び研究を通じて、「スタンダード」を用いた学習会によって、SSWらは自らの実践課題に気づき、専門性向上の必要性を自覚し、自己研鑽をしていくことができることは分かったが、自治体で「スタンダード」が採用され、指導主事等、SSW活用事業担当者にも「スタンダード」の意義を理解してもらわなければ、「スタンダード」の普及はできないと認識するに至った。そのため、2月には、指導主事等事業担当者とSSWが一緒に「スタンダード」を学ぶ学習会を企画・実施した。参加者は40名。その学習会の満足度は非常に高く、次年度以降継続していくこととした。 なお、2018年度に行ったグループインタビューをもとにした論文は、現在査読審査中である。
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