研究課題/領域番号 |
17K04202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
山崎 由可里 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60322210)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 少年教護院 / 少年教護法 / 児童鑑別 / 少年教護院調査要項 |
研究成果の概要 |
本研究は、少年教護院における障害児など処遇困難児への特別な処遇と院外教護の実態の解明を目的とした。その結果、以下の4点を明らかにした。第1に、各少年教護院入院可否の規準は、概ねIQ、家庭環境等をもとにしており、IQは①IQ74以下②60以下③50以下に大別された。第2に、入所児童中の「精神薄弱」児等への特別な処遇は、①特別学級の開設②可能な限りでの個別対応していた。第3に、入院不可と判別した場合、①家庭に返す②地域の少年教護委員へ委託③国立武蔵野学院へ措置していた。第4に、少年教護委員の活動状況は自治体で異なり、組織的な活動をした大阪市を除き、大半の自治体では委員の篤志に依存していた。
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自由記述の分野 |
障害児教育学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感化院・少年教護院を淵源とする児童自立支援施設には、その対象とする児童が、非行などの「問題行動」とともに、被虐待や発達障害を有するなど、複合的な課題を抱えているということが指摘されている(子ども家庭庁『社会的養護の推進に向けて』)。本研究は、従来の研究では欠落していた、児童自立支援施設が所蔵する一次史料にもとづき、①入所児童の鑑別の具体や入所児童の実態、②複合的な課題を抱える処遇困難児に先達はどう向き合ってきたのか(=具体的な指導や教育)について明らかにした。歴史研究である本研究は、現在の児童自立支援施設における実践課題を相対化してとらえる一助となる研究である。
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