4年目にあたる令和2年度は、コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の状況下において、当初予定していたオーストラリアでのコミュニティ文化開発に関する追加事例調査及び学会発表が中止となった。その代替え措置として、オーストラリアの共同研究者らとはビデオ会議システムZoomによる定期的な協議を行う整備を行った。共同研究者であるシドニー大学ソーシャルワーク学部Ruth Phillips准教授からは、オーストラリアのソーシャルワーク実践におけるデジタルメディアの活用の動向について聞き取りを行い、Zoomなどのオンラインによるワークショップ実践の増加についての情報を得た。 また、日本国内の多文化共生施策とコミュニティ文化開発の事例を検討するために、多文化共生に関わる研究会及び外国人当事者や多文化共生に関する研究者らへインタビュー調査を共同研究者らとともに実施し、多文化ソーシャルワーク実践に関する専門的知識の提供を受けた。また、当初予定していた福井県内における外国人当事者とのデジタルメディアを活用したフォトボイス制作プロジェクトなどもコロナウイルスの蔓延の状況下で対面によるワークショップが困難になった。そのため、次年度以降にZoomといったオンラインの環境においてどのようなデジタルメディアワークショップが展開できるかについて、オンラインによる打ち合わせを実践者や研究者とともに行った。一つの試験的な試みとして、2021年12月、福井県内のソーシャルワーカーとともにオンラインによるデジタル・ストーリーテリング・ワークショップを行い、この効果を分析、検証した。
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