研究課題/領域番号 |
17K04219
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中島 尚美 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 特任准教授 (00510174)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 母子生活支援施設 / 退所支援 / リービングケア / アセスメント指標 / 予防的支援 / ソーシャルワーク実践 |
研究実績の概要 |
本研究の2019年度の研究実績は、主に「母子生活支援施設における退所に向けた支援に関する実態調査」の結果の分析と学会での研究発表が挙げられる。本調査は、全国の母子生活支援施設の母子支援員を主な対象者として、入所中のインケアから退所後のアフターケア、すなわち「リービングケア」に焦点化して調査を実施し、支援の実態を明らかにすることが大きな目的であった。さらに最終フェーズとして、支援者が退所に向けて支援を行うにあたってのアセスメント指標と、施設利用者自らが、退所を見据えて自らの課題に主体的に向き合っていくためのアセスメント指標の作成を目的に取り組んでいる。 特に、最終フェーズの段階に進むためには、支援者側が退所に向けて支援をするなかで、何を重点的に意識しているのかを明らかにする必要にあり、量的な7件法の分析と併せて、質的な自由記述に焦点化して分析を進め、その結果をまとめた。日本社会福祉学会での研究発表は、本実態調査における「支援者が退所において重視するポイント」に焦点化して分析を進めた結果である。 現在、分析をさらに進め、最終フェーズのアセスメント指標の作成に向けて、研究協力者と研究会を設け、今後の研究の方向性を確認を行った。また、国内の母子生活支援施設におけるヒアリング調査のみならず、フィンランド等の海外の類似施設におけるヒアリング調査を実施する予定から、研究期間の延長申請を行ったところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 本研究の進捗状況は、研究計画のフローに従い進展しているが、調査結果の分析、特に自由記述の質的分析に時間を要したことからやや遅れている。また、国内のみならず、海外の類似施設でのヒアリング調査を実施することで、研究に厚みが増すと判断し、そのため研究期間の延長申請を行ったところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進に向けては、以下の4点を重点的に行う予定である。 ①全国調査結果の精緻な分析と結果のまとめと報告書の作成 ②調査結果の公表(学会発表及び著書等による) ③アセスメント指標作成に向けた「インタビュー調査(国内・国外)」 ④「退所に向けた予防促進型アセスメント指標」作成・試行
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次年度使用額が生じた理由 |
1.量的調査結果を踏まえて国内でのヒアリング調査を実施する予定であったが、更なる研究の厚みをもたせるために、海外でのヒアリング調査の実施を計画しているためである。 2.最終年度として、研究報告書の作成(印刷・送付)の計画である。さらに、アセスメント指標の試行を依頼できる施設には、指標の印刷した冊子を送付する計画である。
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