研究課題/領域番号 |
17K04219
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中島 尚美 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 特任准教授 (00510174)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 母子生活支援施設 / 退所支援 / リービングケア / アセスメント / 予防的支援 / ソーシャルワーク実践 / 特定妊婦 / 協働・連携体制 |
研究実績の概要 |
本研究の2021年度研究実績は、日本子ども虐待防止学会27回学術集会かながわ大会において、公募シンポジウムに採択され、研究成果の一部を発表したことが挙げられる。コロナ禍の影響はあったものの、本シンポジウムを会場において対面で開催することができ、フロアからの質問やその後のディスカッションに展開できたことは大変有意義であった。このシンポジウムは、本学会で昨年度第26回大会の公募シンポジウム「産前・産後における母と子への予防的支援の展開―母子生活支援施設の実践に焦点化しての検討-」の継続的研究の成果である。今回は「産前・産後支援におけるソーシャルワークと医療との協働・連携体制-母子生活支援施設の活用に向けた課題-」として、支援を要する特定妊婦に焦点化して、国が進める産前・産後母子支援事業の実践者をシンポジストに迎えて、協働・連携のあり方について意見を出し合い、実践の場となる母子生活支援施設の活用における課題について検討する場を設けた。本科研費研究における退所後を見据えた支援のなかでも、経済的、精神的、社会的サポートの面でも退所に向けての支援を必要とする「特定妊婦」等に焦点化したことが特徴であり、なおかつ、産前・産後支援における協働・連携体制を基軸とした母子生活支援施設の活用に向けた課題として、医療との連携に焦点化したことに意味がある。出産後の母子生活支援施設にて安心と安全の保障、経済的基盤、養育スキルの獲得、精神的サポート、子育てのロールモデルとなる存在やアタッチメントの促進等を事例を通して検討を行った。当初の2021年度の研究計画では、母子生活支援施設でのヒアリング調査を予定していたが、コロナ禍の影響により国内出張の制限や母子生活支援施設の職員体制の厳しい状況も鑑みてヒアリング調査の実施に至らなかったため、研究計画を変更せざるを得なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度も国内の母子生活支援施設におけるヒアリング調査を実施する予定であったが、コロナ禍の影響により出張制限もあり、またオンラインでの面談・ヒアリング調査の実施も検討したが、施設側の職員体制の厳しい状況もあり、実施を断念せざるを得なかった。公募シンポジウムの開催はかろうじて実施できたが、研究全体の総括には至らず、再々延長の申請を行うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進に向けては、本研究の最終年度として以下の3点に焦点化する予定である。 ①オンラインを活用したヒアリング調査及び研究会の実施 ②退所後支援に向けたアセスメント指標の作成・試行 ③本研究の総括としての報告書の作成及び研究の公表(学会発表及び著書等)
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響によりヒアリング調査が実施できず、旅費や謝金等の予算執行が難しかったため。来年度は最終年度として研究の総括としての研究会の実施や報告書の作成、公表としての学会発表等を実施し、計画的に予算執行をする予定である。
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