研究課題/領域番号 |
17K04220
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
松田 博幸 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (30288500)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 精神保健福祉 / 医療福祉 / 介護福祉 |
研究実績の概要 |
本研究においては、エンパワメントおよびリカバリーという文脈において、精神保健福祉サービスの利用者(以下、当事者)が主体的な服薬をおこなうのを可能にするプログラムの開発を目指す。平成30年度においては、平成29年度に引き続き、向精神薬の服薬、エンパワメント、リカバリーといった概念をめぐる文献の収集をおこなった。平成29年度、文献を通して得た知見より、向精神薬の服薬を自らの手で管理するための主体性を高める場として、対等な関係で自らの体験や感情を表現しあう対話の場が必要であることが見えてきた。また、そのような場はリカバリーやエンパワメントを可能にする場でもあった。そこで、今年度においては、フィンランドの「オープン・ダイアローグ」に関する文献を含む、対話に関する文献の収集をおこなった。また、わが国において実際におこなわれている、向精神薬の服薬を自らの手で管理するための主体性を高める場に参加し、情報収集をおこなった。具体的には、「減薬サポート情報会議」の実践を展開している飯野雄治氏が開催した「減薬サポート情報会議 in 大阪」(2018年10月14日:主催 NPO法人 青空会議)に出席し、情報収集をおこなった。以上を通して見えてきたのは、向精神薬の服薬を自らの手で管理するための主体性を高めるのに、セルフヘルプ・グループに置いて典型的に見られるような、対等な関係で自らの体験や感情を表現しあう対話の場が不可欠であるということであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
服薬における主体性を理解するための基本的な文献を見つけ出し、主体的な服薬を可能にする実践の場に参加することはできたが、海外において展開されている実践に関する情報が不足しているため。
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今後の研究の推進方策 |
服薬における主体性を高めるための実践、とりわけ海外における実践(カナダ、ケベック州において展開されているGAM)に関する文献や資料をさらに収集する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外における、服薬における主体性を高める実践に関する情報を収集する活動が進まなかったため次年度使用額が生じた。H31年度においては、海外における実践に関する情報を収集するための旅費等にそれらの額をあてるものとする。
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