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2017 年度 実施状況報告書

終末期医療における医療ソーシャルワーカーの調整・支援に対する患者評価による検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K04225
研究機関山口県立大学

研究代表者

上白木 悦子  山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (90551127)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード緩和ケア / 終末期医療 / 医療ソーシャルワーク / 役割遂行 / 患者による評価
研究実績の概要

緩和ケア・終末期医療の医療ソーシャルワーカー(MSW; Medical Social Worker) の役割は、極めて重要であるがその実態は明らかでない。そこで研究代表者はこれまで、関連する研究を行い、緩和ケア・終末期医療のMSWの役割遂行として、多職種との情報共有、ソーシャルワーク実践、代弁、意思の確認ができない患者の医療方針の決定に関わる支援、患者・家族に対する精神的支援といった実態があることを明らかにした(JSPS科研費JP26870511)。
しかしこれらを実態把握やMSW (支援者側) による自己検証に終わらせるのではなく、その内実や効果を検証するためには、患者(当事者側) による評価を調査・検証する必要がある。そこで本研究では、緩和ケア・終末期医療のMSWの役割遂行に対する患者による評価を調査・検証し、臨床現場でのMSWの役割遂行のあり方を再構築することを目的とする。
本研究は、緩和ケア・終末期医療のMSWの役割遂行に対する患者による評価を調査・検証する、日本で初めての実証的研究である。この点で、本研究の学術的な特色・独創性は極めて高い。予想される結果として、緩和ケア・終末期医療の場面で困難に直面し慟哭・逡巡している患者に冷静かつ暖かく寄り添い、困難な調整・支援のあり方と内実とを、患者の評価によって検証し、緩和ケア・終末期医療のMSWの調整・支援を再構築することができる。この成果は、臨床現場のMSWの役割葛藤や仕事への意欲喪失、職場・職業への不適応感などを改善し、MSW の役割の明確さと役割遂行を高め、質の高い医療・ケアチームの構築や緩和ケア・終末期医療における患者の苦悩や不安の軽減に強く寄与する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、患者を対象とした聞き取りを進めている。
医療機関を受診する患者50名程度を調査対象とし、質問紙に基づいた聞き取りを行う。聞き取りの内容は、研究代表者がこれまでMSWを対象とした調査で行った内容と同様のものである。MSWの役割に対する認識(調査済み)と患者の認識とを比較するために、上記の方法を用いる。

今後の研究の推進方策

患者による評価については、得られたデータをもとに統計解析ソフトを用いて因子分析を行う。次に、この結果を研究代表者のこれまでの研究成果と合わせて共分散構造分析をはじめとした分析を行う。

次年度使用額が生じた理由

聞き取りに要する交通費をはじめとして経費執行に際し効率化を図った。次年度使用経費を量的調査に充てるなどして、さらなる効率化・データ収集を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 緩和ケア・終末期医療における医療ソーシャルワーカーの 役割に関する意識の構造2018

    • 著者名/発表者名
      上白木悦子
    • 雑誌名

      一般財団法人 山口老年総合研究所

      巻: 29 ページ: 17-26

  • [雑誌論文] 終末期医療における医療方針の決定とインフォームド・コンセント2017

    • 著者名/発表者名
      上白木悦子
    • 雑誌名

      一般財団法人 山口老年総合研究所

      巻: 28 ページ: 7-17

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公開日: 2018-12-17  

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