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2018 年度 実施状況報告書

終末期医療における医療ソーシャルワーカーの調整・支援に対する患者評価による検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K04225
研究機関山口県立大学

研究代表者

上白木 悦子  山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (90551127)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード緩和ケア / 終末期医療 / 医療ソーシャルワーク / 役割遂行 / 患者による評価
研究実績の概要

がん疾患により緩和期・終末期を迎える患者の増加を背景に、患者の状態に応じた身体症状の緩和や精神・心理的な問題への支援の必要性が重要視されている。このような支援を行う専門職として医療ソーシャルワーカー(MSW; Medical Social Worker)が挙げられている(厚生労働省.人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン.2018)。
そこで申請者はこれまで、緩和ケアのMSWの役割に関する調査を実施してきた(社会福祉学(2018)ほか)。これらを現場の単なる実態把握やMSW (支援者側) による自己検証に終わらせるのではなく、MSW の調整・支援の内実や効果を検証するためには、患者(当事者側) による評価を調査・検証する必要がある。
このため本年度は、A県内の患者50名を対象としたインタビュー調査を実施した。
次の段階として、本調査結果を限定的なもの(限定地域、少数の対象者)にとどまらせることなく、広域かつ量的な調査を実施し、緩和ケアのMSWの役割の内実・効果をより客観性の高いものとして検証するために、量的調査を実施した。
具体的には、現在がん治療中の患者(治療開始から5年以内)を対象とし、質問紙調査を行った。
なお、緩和ケアにおけるMSWの調整・支援に対する患者による評価に関する先行研究は、管見の限り行われておらず、さらに全国調査はみあたらない。申請者の現在進行中の調査を踏まえ、全国調査を実施することにより、より普遍性の高い成果を得て、臨床現場のMSWの調整・支援を再構築することができる。この成果は、臨床現場にいるMSWの役割葛藤や仕事への意欲喪失、職場・職業への不適応感などを改善し、MSW の役割の明確さと役割遂行を高め、質の高い医療・ケアチームの構築や緩和ケアにおける患者の苦悩や不安の軽減に強く寄与する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、A県内の患者50名を対象としたインタビュー調査を実施した。このインタビュー調査を踏まえて、全国を対象とした量的調査(現在がん治療中の患者(治療開始から5年以内))を実施した。

今後の研究の推進方策

得られたデータをもとに統計解析ソフトを用いて因子分析を行う。その結果を踏まえ、不足する場合には、追加調査などを検討する。

次年度使用額が生じた理由

聞き取りに要する交通費をはじめとして経費執行に際し効率化を図った。次年度使用経費を量的調査に充てるなどして、さらなる効率化・データ収集を行う予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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