本研究では、戦前期民間助成財団のなかでも資産規模また助成規模においても一番規模の大きかった原田積善会の所有する「寄付申込記入帳」と「寄付審査録」の助成を行う際の選考に関連する史料を用い、財団の助成実態と照らしながら、戦前の民間助成財団が助成を決定する時どのような点を考慮していたのかについて寄付審査録の記録が残っている1931年から1941年について実証的に検証を行った。 また、民間助成財団の助成の意義と役割について総体的に明らかにするための助成の受け手側の団体から助成の意義について検証する研究については、助成財団と助成受けた団体の財政に関する資料が両方存在する団体について検証を進めた。
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