| 研究課題/領域番号 |
17K04239
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| 研究機関 | 城西大学 |
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研究代表者 |
于 洋 城西大学, 現代政策学部, 教授 (60386521)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 高齢者福祉 / 介護サービス / 海外のノウハウ / 日本の経験 / 民間介護事業者 / 外国人介護人材 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、昨年度の引き続きで中国に進出している日系介護関連企業の事業展開、介護人材教育及び日本事業者との連携などを中心に研究活動を行ってきた。特に、介護人材の教育と交流については、日本と中国の関係事業者に対して「技能実習」や「特定技能」といった外国人介護人材の受け入れ制度と在留資格の利用状況を調べた。
本年度の研究活動を通して、以下の2つの研究成果を得ることができた。1つ目は、介護サービスの提供における日本の経験（仕組みと技能）が中国において大いに参考にされていることを再確認した。特に民間介護事業者の層において、「小規模多機能」という日本の経験が各地において定着したことを明らかにした。日本の経験が中国に広く行かされているだけではなく、現地調査を通して日本の介護用品及び介護機器・設備が中国市場に浸透してきた事実も明らかにした。特に介護施設では日本から輸入した介護用入浴設備や介護用便座などが活用されていることや、需要が高いということも確認できた。これらのことから、日本の医療福祉輸出戦略が一定の効果を出していると考えられる。次は、日本国内の介護人材不足の問題を解決するために、単に外国人労働者を受け入れるだけではなく、現地の介護人材の養成機関（職業学院或いは介護事業者）と組んで受け入れ対象者に対して入国前教育（日本式介護技術と介護日本語など）が大事であることを明らかにした。
本年度の研究から上記の2点（これまでの先行文献にほとんど見られない議論）を明らかにすることができ、大変有意義だと考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画書にしたがい、令和元年度を本研究の最終年度としていた。年度の後半、春休みを利用して、中国に行き数名の研究協力者（東北財経大学の劉暁梅教授、浙江大学の何文炯;教授、瀋陽師範大学の王海燕教授など）と意見交換したうえで本研究をまとめたいと考えていた。また、外国人介護人材の教育について、中国の介護事業者と意見交換をおこないたかった。しかし、令和2年の1月後半に新型コロナウイルスの感染拡大によって、中国出張がキャンセルとなり、大学に来ることや日本国内の移動も制限されてきたため、当初の研究計画通りにできなくなった。所属研究機関（城西大学）の科研費担当者と相談したうえで、補助事業期間延長承認申請をおこなった。その後令和2年度まで1年間の延長承認を得た。
なお、本年度では、おこなった現地調査と参加した学会・研究会は以下の通りである。
①中国維坊市で開催された『変化する労働力の国際移動に関する検討会』に参加し、基調講演「中国の介護保険モデル事業、日本の介護産業の規模及び介護人材の育成」をおこなった（令和元年7月10日（水）～令和元年7月13日（土）
②東洋大学で開催された公開シンポジウム『グローバル化する高齢者介護労働と福祉国家におけるジェンダー課題』に参加し、「中国の介護保険モデル事業、日本の介護産業の規模及び介護人材の育成」を報告した（令和元年7月27日）
③中国北京市・秦皇島市・維坊市・瀋陽市・大連市での社会保障・社会福祉政策に関する現地調査（令和元年8月07日（水）～令和元年8月23日（金））、計5つの介護施設と3つの養成機関に訪問した。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和元年1月末からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、本研究は当初の研究計画通りに最終年度として研究を完成させることができなくなった。そのため、令和2年度まで補助事業期間延長を申請し、1年間の延長許可が得られた。
令和2年度において、本来令和元年度内でおこなう予定だった研究計画を遂行したい。すなわち、これまで得た研究成果を日中両国の学者や事業者と意見を交換しながらさらに検証していく。具体的には、まずは中国において、「医療福祉混合型」や「小規模多機能」の介護サービスの提供方式が中国全土に拡大し定着できるかについて、中国の専門家と事業者に確認したい。次は、日中両国における介護人材教育と介護人材の交流について、両国にとってwin-winとなる体制構築のあり方を検討してみたい。上記事項の問題点の解決策を考慮に入れた政策論を展開していきたい。
最終年度はこれまでの文献分析及び調査結果に基づき、研究成果をまとめ、論文の執筆と最終報告書に専念する。
研究費については、資料収集・現地調査の費用、文献研究や学会・研究会での報告・討論のための費用がかかると予想される。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
令和元年1月末からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、本研究は当初の研究計画通りに最終年度として研究を完成させることができなくなった。
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