研究課題/領域番号 |
17K04241
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
柴田 貴美子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20438873)
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研究分担者 |
西方 浩一 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (00458548)
栗城 洋平 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 助教 (20772966)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / ロールプレイテスト / 親子 / ソーシャルスキル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,社会的状況の把握といった受信技能,対処技能を含めた処理技能,表情や声の大きさといった送信技能を包括したASD児とその保護者を対象としたロールプレイテスト(以下,RPTCP) を開発し,その信頼性および妥当性を検討することである. 同意が得られた小学2から6年生の発達障害児20名とその親を対象に,RPTCP,小学生用社会的スキル尺度(以下,SS),親面接式自閉スペクトラム症評定尺度 (以下,PARS-TR),日本版SRS-2対人応答性尺度(以下,SRS-2),成人用ソーシャルスキル自己評定尺度を実施した.RPTCPの様子はビデオ撮影し,研究者3名がビデオを見ながら評価表を用いて評価を行った.評価者間信頼性の検証では,級内相関係数を算出し,構成概念妥当性は評価項目の因子分析を行った.基準関連妥当性は,各評価項目とPARS-TRおよびSRS-2の相関係数を算出した. RPTCPの評価者間信頼性は,適度に一致していた(κ=0.594).構成概念妥当性について,20評価項目の因子分析の結果,4因子が抽出された.第1因子は視線,表情,声の変化,身体表現:手遊び,身体表現:身体の向き,身体表現:移動と姿勢の変換,教示の理解,目的の理解の8項目を含む「課題の理解と非言語的技能」,第2因子は相手の認知,検査者からの問いかけに自ら応じる,スキルの実施状況,目的の達成,対処法の枠組みを提案する,対処法のバリエーションの6項 目を含む「目標志向的コミュニケーション」,第3因子は設問内容を復唱する,独り言を話す,会話のキャッチボール,会話の内容の4項目を含む「会話への焦点 化」,第4因子は自己効力感と不安感の2項目を含む「主観的評価」であった.基準関連妥当性について,各評価項目とPARSとの相関は認められなかったが,SSとは正の相関(r=.34-.49,p<.05),SRS-2の下位項目である社会的認知,社会的コミュニケーション,興味の限局と反復行動とは負の相関(r=-.37-.41,p <.05)が認められた.
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