| 研究課題/領域番号 |
17K04248
|
|---|
| 研究機関 | 大正大学 |
|---|
研究代表者 |
坂本 智代枝 大正大学, 人間学部, 教授 (00317645)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| キーワード | 精神障害者 / アドボカシー / ピアアドボカシー / ピアサポート |
|---|
| 研究実績の概要 |
国内外において、ソーシャルワークにおけるアドボカシーの理念や方法、機能や役割、支援プロセスは明らかにされているが、精神障害当事者が行うアドボカシー(ピアアドボカシー)に関しては、北米をはじめ先駆的な実践は20年以上の蓄積があるものの、具体的な機能や役割等に関する研究は未開拓である。そこで、本研究を通して、先駆的な精神障害当事者が行うアドボカシー(ピアアドボカシー)の実践から調査研究を踏まえて機能や役割と支援プロセスを明らかにする事は、日本の精神障害当事者が行うアドボカシー(ピアアドボカシー)に寄与できる意義があると考える。平成30年度は、平成29年度に実施した先駆的なニューヨーク市の精神障害当事者が行うアドボカシーの機能と役割である【専門職と当事者との通訳】、【ブリッジャー(橋渡し)】、【セルフアドボカシーの促進】等11コのカテゴリーを質的分析し明らかにした。さらに今年度の調査では、日本の地域精神保健福祉領域においてピアサポーターとして実践し且つ研修の企画運営している精神障害当事者と協働して、日本における精神障害当事者が行うアドボカシーの機能と役割及び支援プロセスと明らかにすることであった。
日本の地域精神保健福祉領域においてピアサポーターとして実践し且つ研修の企画運営している精神障害当事者3名に協力を得て半構造化面接によるインタビュー調査を実施した。分析方法は、当事者が行うアドボカシーの支援プロセスを明らかにすることから、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いていた。当初の予定の研究方法を調査協力者の都合により、個別のインタビュー調査に変更して、既に3名まで調査が終了しており、継続的比較分析をしている。加えて研究会を2回実施することができた。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の調査をグループインタビューから個別インタビューに調査対象者の都合により変更したことと、調査対象者とのスケジュールの都合が合わず予定していたインタビュー調査の60％を次年度に繰り越すことになった。
|
| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度のインタビュー調査において繰り越した7名程度の実施と分析を行い、ピアアドボカシーの日本型のピアアドボカシープロセスのモデルを生成する。
それをもとに精神障害当事者が行うピアアドボカシーの研修テキストとプログラムを作成し、年度の後半に精神障害当事者のピアアドボカシーの研修会を出前型で札幌市、関東近県及び大阪府等において3～4回試行的に開催し、効果を測定しピアアドボカシーに有効なテキストとプログラムを開発する。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は調査対象者との都合が合わず、予定していたインタビュー調査とその分析が次年度に繰り越すことになった。
そこで平成30年度予定していたインタビュー調査の謝金及びテープ起こし代と旅費に使用する予定である。その内容を学術学会にて発表し、学会誌に投稿する予定である。
|
