里親養育支援体制や制度・政策のあり方等 に焦点化し、児童福祉学のみならず、発達心理学、法学、経済学等の研究者を研究協力者やアドバイザーとして位置づけ、学際的に研究を行った。具体的には学際的に構成された研究者によるグループにインタビュー等を活用して、里親委託や養子縁組あっせんのあり方について検討を行った。また申請者がこれまで行ってきた養子縁組あっせん手続きのあり方に関して、継続して研究を行い、里親制度と養子縁組制度の位置づけについて一定の見解を 明らかにするために、先行業績のレビューと養子縁組に関するハーグ条約批准国のにおける情報収集等を行った。 里親委託された子どもへの専門的ケアに関して認識を深めるために、精神科医による講演会を企画し、日常生活における安全・安心な環境の保障だけではなく、子どものトラウマ治療を目的とした専門的、治療的ケアの必要性を認識した。妊娠中から様々な課題を子どもは抱え、措置される過程で多様な喪失感やトラウマを抱え、日常生活における治療的関与と家庭以外の専門ケアを提供することで、子どもの状況が著しく改善することが可能となる。そうした認識を深めると同時に、そうしたケアの均てん化に向けた取り組みが必要である。講演会の後児童養護施設職員や市町村での支援に関与している専門職、里親によるシンポジウムを開催し、実親子支援のあり方や里親子の支援のあり方について検討を行った。 また、里親家庭に委託された経験をもつ大学生にインタビュを行い、里親養育について子どもの立場から把握を行った。次年度以降も継続し、データ蓄積を行う。
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