研究課題/領域番号 |
17K04265
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
澁谷 昌史 関東学院大学, 社会学部, 教授 (80460145)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 学校 / 子ども・子育て支援 |
研究実績の概要 |
政令市を除く全国の市町村を対象に質問紙調査を実施した。500件を超える回収があったが、調査趣旨の了解へのチェックをしていないものが多く、有効回収数は443件、有効回収率は26.1%にとどまった。 学校・学区を基盤とした子ども・子育て支援として、放課後ケアは最もよく行われているもので、100%に近い自治体で学校・学区単位での実施例があると回答されていた。特別支援教育の普及などもあるためか、障害児を対象とした支援も比較的学校・学区を基盤として行われていた。そのほか、「要保護・要支援児童やその保護者への継続的な相談支援」「障害児への生活・発達・学習支援」「学校への適応に困難を抱える子どもへの生活・学習支援」「就学前教育・保育施設と学校間の定例情報交換会の設置」「都道府県で雇用しているスクールソーシャルワーカーの配置」が半数前後の自治体で「実施例有」の回答であった。 ところが、学校・学区を支援フィールドとして位置づけている自治体が一定数確認できた一方、今後も学校・学区を単位とした子ども・子育て支援を推進する必要があるかとの問いには、肯定的な反応が半数以下を占めた。実施が必要であるところは、実現可能性は十分にあると考えていたが、おそらくは各自治体の直面している状況(ヒトモノカネの不足や人口減少)が大きく、必ずしも学校・学区にこだわるのか、あるいは別の場や関係性を使うのがよいかは、自治体ごとの状況に依存するものと思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務との調整が困難であったことなどの事情が重なり、初年度に生じた遅れを取り戻すことができなかった。また、調査協力を予定していた特定の自治体の状況に変化が生じ、質問紙調査の対象の再検討に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2018年度に実施した調査結果を、自治体規模別に分析しながら、学校・学区を単位とした子ども・子育て支援がどういう条件のもとで促進され、また効果を上げているのか考察をしていく予定である。さらに、2か年目に実施予定であった、学校・学区という顔の見える関係性を生かして要保護児童等の把握と支援を効果的に行っている自治体等の視察を終わらせ、海外の類似の取組についての文献調査も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本務等の事情により初年度の遅れが取り戻せず、その分、次年度使用額が生じた。これは調査報告書の作成や先駆的自治体への視察へ充当する。
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