研究課題/領域番号 |
17K04267
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
田中 克恵 金城大学, 社会福祉学部, 准教授 (20387393)
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研究分担者 |
新口 春美 金城大学, 社会福祉学部, 講師 (40387395)
舞谷 邦代 金城大学, 社会福祉学部, 准教授 (60389971)
山根 淳子 金城大学, 社会福祉学部, 教授 (90342021)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | チームプロセス / 特別養護老人ホーム / 終末期ケア / 多職種チーム |
研究実績の概要 |
本研究は、特別養護老人ホーム(特養)の終末期ケアにおいて、よりよい成果に繋がる「多職種チームケアプロセスモデル」及びモデルを用いた活用ガイドラインの開発を目的としている。平成29年度は、特養の終末期ケアに関わる多職種職員のコンセンサスが得られる多職種の連携・協働の行動とそのプロセスを明らかにし、「多職種チームケアプロセスモデル」を作成することを目標に取り組んだ。 まず、これまでに取り組んだ研究成果をもとに、よりよい終末期ケアを目指す多職種の連携・協働の行動に関する調査項目を作成し、特養での終末期ケアの経験が豊富な看護職員、介護職員、介護支援専門員、生活相談員、機能訓練指導員、管理栄養士・栄養士、計6人に項目の妥当性の検討を依頼した。職員の意見を参考に、多職種の連携・協働の行動として36項目を設定し、36項目の必要性とプロセス(過程)の適切性について5件法で回答を求める第1回目調査票を作成した。 次に、看取り介護を実施する全国特養から無作為抽出した特養のうち、施設長から研究参加の同意を得た104施設に勤務する上記の6職種、計624人を対象に、第1回目調査票を用いて郵送による質問紙調査を行った。その結果、432人から調査票の返送があった(回収率69.2%)。多職種の連携・協働の行動36項目のうち、「必要」または「どちらかといえば必要」と回答した人の割合が80%以上の項目が34あった。一方で80%未満の項目が2つあった。多職種の連携・協働のプロセスについては、「適切」または「どちらかといえば適切」と回答した人の割合が80%以上となった。 その後、第1回目調査結果および自由記述による職員の意見を参考に、多職種の連携・協働の行動の項目を追加・修正・削除し、第2回目調査票を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は、特養の終末期ケアに関わる多職種のコンセンサスが得られる「多職種の連携・協働の行動」およびプロセスを明らかにするために、同じ対象者に2回の質問紙調査を計画していた。しかし、年度内に第2回目調査を実施することができず、研究の進行は当初の予定よりやや遅れていると判断する。遅れた原因は、多職種の連携・協働の行動に関する調査項目の検討などに時間を費やしたためと考える。検討した内容は「多職種チームケアプロセスモデル」の基盤となるため、十分な吟味を必要とする。そのため、研究の進行はやや遅れたが、本研究を推進するにあたり必要な時間であったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は第2回目調査を実施し、その分析結果をもとに「多職種チームケアプロセスモデル」とガイドラインを作成する。その後、開発したモデルとガイドラインの有効性を検討するために、介入研究を予定している。 当初の計画では、研究者が第2回目調査票などを印刷する予定であったが、印刷業者に委託することで作業の効率化を図りたい。また、介入研究を行うにあたり、北陸三県にある特養のうち、介護サービス情報公表システムにおいて「看取り介護の実施」として公表されていない施設に研究への協力を依頼する予定であった。迅速に協力施設を確保するために、対象地域を拡大して取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に、施設への研究協力依頼書と第1回目調査票を郵送したところ、郵便料として288,000円かかった。支払いが平成30年4月以降になったため、この支払に未使用金を使用する。なお、平成30年度の助成金については、当初の計画に沿って使用する予定である。
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