研究課題/領域番号 |
17K04267
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
田中 克恵 金城大学, 看護学部, 教授 (20387393)
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研究分担者 |
新口 春美 金城大学, 社会福祉学部, 講師 (40387395)
舞谷 邦代 金城大学, 看護学部, 准教授 (60389971)
山根 淳子 金城大学, 社会福祉学部, 教授 (90342021)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | チームプロセス / 特別養護老人ホーム / 終末期ケア / 多職種連携・協働 |
研究実績の概要 |
本研究では、これまでに「特別養護老人ホームの終末期ケア(看取り介護)における多職種チームプロセスモデル」、モデルの使用説明書(活用ガイドライン)および「多職種チームプロセス確認シート」を作成した。 多職種チームプロセスモデルは、特養の終末期ケアに関わる多職種・職員が連携・協働するための行動について、ケアに関わる多職種を対象にデルファイ調査を行い作成した。作成したモデルは、4つのステージ(状態変化期、看取り期、臨終・死亡時期、退所後)、計40項目で構成されている。確認シートは、チームで多職種チームプロセスモデルの内容を確認し、取り組み状況を把握・チェックできるように1枚の用紙にまとめたものである。 次の研究段階として、作成したモデルの有効性を検討するために、介入群(作成したモデルを参考に多職種・職員に取り組んでもらう)と対象群(これまでの方法で取り組んでもらう)との比較を計画していた。しかし、分析に必要な研究参加施設数を確保することが困難であったため、モデルを用いた介入前後の比較から有効性を検討することに計画を変更した。 現在、協力を得られた施設において、作成したモデルおよび確認シートを用いて終末期ケアに取り組んでもらっているが、看取りの対象者がいないなどの理由から実施できていない施設もある。 今後は、研究に協力していただける施設を追加募集し、分析に必要なデータ数の確保に努めるなどの対策が必要だと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遅延理由として2点が挙げられる。 1点目は、研究責任者の所属移動(大学内における所属学部の移動)に伴う業務量の増加により、研究時間の確保ができなかったことである。 2点目は、当初の予測以上に研究協力施設を確保できず、分析に必要なデータ数を収集できなかったことである。協力の申し出が少なかったのは、研究設計が複雑であること、作成したモデルを参考に終末期ケアに取り組んでもらうために長い期間を要すること、そして対象施設である特別養護老人ホームの慢性的な人員不足などが原因と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
多職種チームプロセスモデルの有効性を検討するために、まずは研究参加施設を追加募集し、分析に必要なデータを収集することを目指す。 しかし、これまでの研究の進捗状況やCOVID19による特養への影響などを勘案すると、現在の研究計画では必要な数の研究参加施設を確保することは非常に難しいと考えられる。そのため、以下の通り、研究計画の変更を検討している。 ①研究を依頼する地域・時期を検討したうえで、参加施設を追加募集する。 ②作成したモデルに関する後ろ向き調査から、終末期ケアや多職種チームケアの成果に関する評価との関連を分析し、モデルの有効性を検討する。 ③上記①②の実施が難しい場合、本モデルを用いて終末期ケアに取り組んだ多職種チームを対象にインタビュー調査を実施し、質的分析を用いてモデルの有効性を検討するなどの変更を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が発生した理由:主として次の3点があげられる。①研究協力施設の確保が十分にできなかったため、施設へ出向き対応するためにかかった費用が少なかった。②研究成果発表や情報収集等の機会を十分にとることができず、かかる旅費が少なかった。③分析に必要なソフトの購入を予定していたが、まだ購入していない。 次年度は、研究協力を依頼するための郵送費や調査票印刷、分析ソフトの購入、成果発表等や研究協力施設に出向くための旅費、資料整理等に係る物品購入等を計画している。
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